コロンビア月例報告(1月分)

経済情勢

 

2011年2月14日

在コロンビア日本大使館

Ⅰ.概要

●政府は24日,洪水被害に伴い発出した経済・社会・環境的非常事態令による2011年特別予算は5.7兆ペソ(当初比+6.2%)とし,この結果,2011年予算は152,9兆ペソとなった。

●ディアス・グラナドス商工観光相は6日,サンティアゴにて,フェラリ・メキシコ経済相,フェレイロス・ペルー通商観光相及びモレノ・チリ外相と,深い統合地域(Area de Integracion Profunda, AIP)の設立に向けた会合を行った。

●アンデス開発公社(CAF)のガルシア総裁は16日,当国の災害復興のため20112014年の間,総額60億ドル(年間15億ドル)を融資すると発表した。公的及び民間プロジェクトを対象とし,特にインフラ分野に重点を置く。

 

Ⅱ.主な出来事

<国内情勢>

(1)経済成長率見通し等

(ア)サントス大統領(13日):2011年は,洪水被害の影響があろうが,5.0%と予想。

(イ)エチェベリ蔵相(20日):2011年の成長率目標は4.5%とする。

(ウ)国家企画庁(27日):2010年は4.5%から4.2%へ下方修正。また,2011年については米景気の回復等から5.0%と予想。

(エ)Anif(「コ」シンクタンク)(24日):2010年は4.3%から4.0%へ,また,2011年についても5.0%から4.5%へ下方修正。

(オ)HSBC:金融大手HSBC4日に発表した「2050年世界経済予測レポート」の中で,「コ」経済は2050年には,現在の39位から26位に上昇するとの世界経済トップ30入りを予測した。

 

(2)経済政策

(ア)最低賃金:政府は11日,2010年末に決定した2011年最低賃金額について,DANEが発表した12月のインフレ率が3.17%と予想を大きく上回ったことから,引上げ率を前年比+3.4%から同+4.0%(月額最低賃金は532,500ペソから535,600ペソへ)に改正する旨発表した。なお,交通手当額は現行維持となった。

(イ)2011年特別予算:マック・マスター大蔵次官は24日,政府が洪水被害に伴い発出した経済・社会・環境的非常事態令に基づき,2011年予算につき,昨年10月に承認された147.2兆ペソから5.7兆ペソ拡張し,当初比+6.2%の152,9兆ペソとする旨発表した。なお,追加分は税収増及び国営石油会社エコペトロルの発行済み株式の売却等によって充当する。

 

(3)インフラ関連

(ア)ボゴタ市メトロ建設プロジェクト

(ⅰ)モレノ・ボゴタ市長は28日,世銀に対し,メトロ第1号線の基礎工学設計に関する5つの提案書への評価を提出した。

(ⅱ)サントス大統領は31日,計画が不十分なインフラ・プロジェクトは開始しないと述べた。特にメトロ建設は,国民の費用負担が大きいプロジェクトであり,第1号線を定義しない限り,次の工程には進ませないとした。

(イ)アマイメ中央水力発電所:EPSA社は5日,バジェ・デル・カウ県エル・セリト市とパルミラ市の間に位置する,アマイメ中央水力発電所の稼働を発表した。投資総額は900億ペソ,発電能力は20メガワット。なお,本事業はクリーン開発メカニズム(CDM)の承認を得ている。

 

(4)企業動向

(ア)金融最大手Bancolombia銀行(6日,当地紙報道):Bancolombia銀行は5日,5年物社債5.2億ドル(クーポンは4.25)を発行した。

(イ)石炭大手セレホン(20日,当地紙報道):Teicher社長は,今後4年間で12億ドルの投資を行うと発表した。また,2011年の石炭生産量は32百万トンを見込んでおり,2014年には40百万トンまで引上げたいとした。

(ウ)石油・天然ガスEQUION社(24日,当地紙報道):国営石油会社エコペトロル社及びカナダのタリスマン・エナジー社は24日,英BP社のコロンビア事業を17.5億ドルで買収,新会社名をEQUIONとした。エコペトロル社が事業権益の51%,タリスマン・エナジー社が49%を獲得している。

 

<対外関係>

(1)対米FTA関連

(ア)コロンビア側発言等

(ⅰ)サントス大統領:20日,レビン共和党下院議員との会談を終え,当国の経済成長及び雇用創出にとって重要である米議会での米・「コ」FTA承認につき,見通しは明るいコメントとした。また,26日には訪問先のパリより米議会に対し,同FTAの承認を有言実行して欲しいと述べた。

(ⅱ)ガルソン副大統領:2428日に訪米した同副大統領は米議会に対し,オバマ大統領の公約通り,本年中に「コ」とのFTAを承認すべきであると述べた。また,米労働省には,人権保護に関する覚書の締結を提案した。

(イ)米国側発言等

(ⅰ)マケイン共和党上院議員:カルタヘナを訪問していた同議員は7日,サントス大統領に対し,アンデス通商促進麻薬撲滅法(ATPDEA)の延長と米・「コ」FTAの議会承認を支援すると述べた。

(ⅱ)カーク通商代表(12日):対韓FTAについては議会審議に諮るとするが,対「コ」及び対パナマFTAについては承認の見通しが低く,時期尚早であるとした。

 

(2)対欧州関係

(ア)対スイスFTA:世界経済フォーラム年次総会のためスイスを訪問していたサントス大統領は27日,スイスのカルミレイ大統領と会談後,「スイスは「コ」とのFTAEFTAの枠組みで,2008年,スイスの他,リヒテンシュタイン,ノルウェー,アイスランドと署名)を発効させる旨決定した」と述べた。「コ」議会は20101月にEFTAを承認しており,対スイスFTAは今後,両国政府による交換公文の署名の後,早ければ本年6月頃の発効となる見込み。

(イ)ディアス・グラナドス商工観光相の訪仏:サントス大統領等と2426日にかけて訪仏したディアス・グラナドス商工観光相は,フランス企業との会談を実施し,「コ」が法的に安定し,治安が改善した国との認識を得ていることを実感した。また,インフラ,エネルギー,運輸,化粧品研究センター及びホテル投資など各セクターにおけるビジネス機会に進展がみられたとコメントした。

 

(3)対中南米関係

(ア)環太平洋中南米諸国の経済統合に向けた動き:ディアス・グラナドス商工観光相はサンティアゴにて6日,フェラリ・メキシコ経済相,フェレイロス・ペルー通商観光相及びモレノ・チリ外相と,深い統合地域(Area de Integracion Profunda, AIP)の設立に向けた会合を行った。3月末までに,本イニシアティブの工程提示とそれに沿った活動を開始させることが決定した。

また,同会合と平行して,コロンビア,チリ,ペルー3カ国の輸出促進機構(それぞれProexportProchilePromperu)による代表者会合も行われ,アジア太平洋地域における企業進出と貿易促進に関する連携計画が協議された。輸出振興や投資・観光誘致についての情報共有を主目的とし,国際見本市への出展,国のイメージ向上キャンペーンの開催,市場調査,分野別輸出振興戦略等を共同で実施すること等が検討された。

(イ)対メキシコ関係:1995年に発効したG2自由貿易協定に伴い,自動車の関税は2005年以降段階的に廃止されてきたが(関税割当:2005年は3千台,その後毎年1千台ずつ増やし,2010年は8千台),201111日を持って完全撤廃となった。

(ウ)対ベネズエラ関係:ベネズエラの外貨管理委員会(Cadivi)のバロッソ会長は4日,コロンビア輸出企業に対する債務に関し(Cadiviが外貨発給許可を出さないため,2006年末以降,同企業への支払いが滞っているもの),債務総額を再計算した結果,当初発表の約8億ドルから6億ドルに下方修正されたため,残りの返済義務は1億ドル強であると述べた。

(エ)対エクアドル関係:ラウル・バジェホ駐「コ」・エクアドル大使は5日,両国の経済関係強化のため,ボゴタに貿易事務所を開設する旨発表した。同大使は,公共衛生のほか,ルミチャカ橋拡張,地熱計画,水圏環境等のプロジェクトを継続していくと明言した。

 

(4)対アジア関係

(ア)全般:オルギン外相は1822日,ASEAN観光会議に参加するため訪問したカンボジアに於いて,「コ」にとってのアジアの重要性について述べた上で,アジア太平洋地域との経済関係強化のため,インドネシアに大使館を置くこと,また,シンガポールに貿易事務所を開設することを発表した。

(イ)アジア研究センター開設予定(27日,当地紙報道):ナショナル大学経済学部のホルヘ・イバン・ブラ教授は,本年下半期にはアジア研究センターを開設できるだろうと述べた。アジア諸国における経済発展の経験やコロンビアへの影響を研究する。

(ウ)対日関係:寺崎明総務省参与は2325日,地上デジタル放送日伯方式(ISDB-T)採用に係る働きかけのため,訪「コ」した。国家テレビ委員会(CNTV)は201012月に欧州方式(DVB-T)の正式採用を決定しているが,寺崎参与は,日伯方式の利便性や経済性について改めて言及し,CNTVが日本政府によるパブリック・コメントを十分に検討していないと批判した。

(エ)対韓関係:金滉植首相は6日,ルセーフ大統領就任式のため訪れていたブラジリアに於いて,サントス大統領と会談し,「コ」のAPEC加盟を支援すると述べた。また,両国FTA交渉の早期終了に期待する旨言及したほか,サントス大統領が本年中に韓国を訪問されるよう招待した。

(オ)対中関係:27日,在「コ」中国大使館の協力の下,中・「コ」投資貿易委員会が発足した。「コ」側は全国工業連盟(ANDI),コロンビア・パシフィック財団,企業,産業組合が参加している。

 

(5)その他

アンデス開発公社(CAF):ガルシアCAF総裁は16日,当国の災害復興のため20112014年の間,総額60億ドル(年間15億ドル)を融資すると発表した。公的及び民間プロジェクトを対象とし,特にインフラ分野に重点を置く。

 

<経済指標>

(1)経済活動全般

(ア)実質工業生産指数(DANE発表):11月の実質工業生産指数(コーヒー豆加工を除く)は前年同月比+4.5%となった。部門別では,衣料(同+33.3%),自動車(同+43.6%),及びその他化学品(同+6.6%)がけん引した。

(イ)実質小売売上高指数(DANE発表):11月の実質小売売上高指数は前年同月比+21.4%となり,前月に続き自動車・二輪車(同+89.0%),家電・家具(+27.5%)がけん引した。

(ウ)消費者信頼感指数(Fedesarrollo発表):12月の消費者信頼感指数(ICC)は16.7%と,前年同月を10.4%ポイント上回ったものの,4ヶ月連続の低下となった(8月:38.8%,9月:35.4%,10月:30.3%,1125.9%)。

 

(2)産業動向

(ア)石油生産量(国家炭化水素庁(ANH)発表):12月の石油生産量は82.5万バレル/日(前年同月比+12.3%),また2010年通年では78.5万バレル/日(前年比+17.0%)となった。2010年は50近い油田が発見されたことから,当初見通しの56.5万バレル/日を大幅に上回った。なお,ロダド鉱山・エネルギー相は24日,石油について2020年まで自給可能であると述べた。

(イ)石炭(15日,当地紙報道):2010年の石炭生産量(推定)は7,500万トンと,前年の7,300万トンを上回ったものの,洪水被害により当初見通しの8,000万トンには達しなかった。

(ウ)コーヒー

(ⅰ)生産及び輸出(コーヒー生産者連合会(FNC)発表):FNC加盟コーヒー生産者による12月のコーヒー生産量は116.4万袋(1袋=60㎏,前年同月は82.1万袋),同輸出量は110.5万袋であった(同78.8万袋)。この結果,2010年通年のコーヒー生産量は899.1万袋(同781.2万袋),輸出量は782.2万袋(同789.3万袋),輸出総額は前年比+29.2%の22.1億ドルとなった。輸出量は前年より7.1万袋減少したものの,年後半にかけて国際コーヒー価格が史上最高値を更新した結果,輸出総額では前年を上回った。

(ⅱ)価格(国際コーヒー機関発表):12月のコロンビア産マイルド・アラビック・コーヒーの価格は,史上最高の月平均1ポンド=2.62ドルを記録した。

(エ)自動車(Econometria発表):2010年の自動車販売台数は253,869台(前年比+37.9%)と,2007年の253,034台をわずかに上回り,史上最高となった。この背景には,低金利,高流動性,ペソ高,経済の安定化及びPico y Placa(ピーク時の車両番号末尾による自動車利用制限)に伴うセカンドカーの購入が挙げられる。なお,アナリスト等は,2011年の自動車販売台数は300,000台に達するとみている。

 

(3)物価・雇用(DANE発表)

(ア)物価:12月の消費者物価上昇率は+3.17%(前年同月比,以下同)と,20109月以降緩やかに上昇しており,15ヶ月振りに3%台を記録した。費目別にみると,前月に続き保健(+4.31%),教育(+4.01%),住宅(+3.69%)が高水準を維持したほか,洪水被害の影響から食料は+4.09%(前月は+2.40%)と大幅に上昇した。なお,中銀のインフレ目標は31%。また,12月の生産者物価上昇率は+4.38%であった。

(イ)雇用:12月の主要13都市の平均失業率は,前年同月の13.0%から0.6%ポイント改善し12.4%となった一方,全国失業率については12.0%と前年同月から僅か0.2%ポイントの改善に留まった。これは洪a水被害が深刻な農村部における雇用環境の悪化が要因とみられる。

 

(4)金融

(ア)金融政策:中銀理事会は31日に定例政策決定会合を開き,政策金利を9ヶ月連続して3.0%に据置く旨決定した。中銀はプレスリリースの中で,予想される水準での景気回復がみられた場合又はCPI上昇率が目標の上限である4%を上回った場合,段階的に金融引き締めを開始するとした。なお,201012月のCPI上昇率は前年同月比+3.17%。

(イ)為替介入:中銀がコロンビア・ペソの対ドル相場安定化のため,2010年中に実施した為替介入(ドル買い)の合計額は30.6億ドル(前年は1.7億ドル)であった。

 

(5)財政/税収(国税・関税庁(DIAN)発表):2010年の税収は65.2兆ペソ(前年比+2.2%)と,当初目標を9,500億ペソ上回った。国内税収は同-0.3%の51.3兆ペソと前年を下回ったが,全体の2割を占める対外税収(関税及び海外付加価値税)が同+12.6%の13.9兆ペソと伸びた。なお,国内税収の内訳は,所得税31.3兆ペソ(同-5.7%),付加価値税14.8兆ペソ(同+12.7%),金融取引税3.2兆ペソ(同+3.3%),財産税1.9兆ペソ(同-2.4%)であった。

 

(6)貿易収支・投資

(ア)貿易収支(DANE発表):11月の貿易収支(FOB)は,前年同月の1.8億ドルの黒字から1.6億ドルの赤字に転じた。輸入(CIF)は,11月としては史上最高の38.0億ドル(前年同期比+34.5%)を記録し,とくに自動車・部品(同+81.4%)が大幅に伸びた。一方,輸出(FOB)は原油・石油製品(同+33.5%)が伸びた結果,伝統産品輸出は前年同月の17.1億ドルから22.6億ドルへと増加した。

(イ)対内直接投資FDI(中銀発表):12月のFDI流入額は8.1億ドル(前年同月は-0.8億ドル)であった。このうち石油・鉱物資源への投資は全体の78.5%を占める8.1億ドル,前年同月比-5.7%であった。なお,2010年通年のFDI流入額は94.9億ドル,前年比+37.0%となった。

 

Ⅲ.主な経済指標 ※( )は前年同期の数値

(1)経済活動指数(出所:国家統計庁(DANE))

(ア)実質工業生産指数(11月)  前年同月比+ 4.5%(同+1.9%)

(イ)実質工業売上高指数(11月) 前年同月比+ 5.3%(同+0.1%)

(ウ)実質小売売上高指数(11月) 前年同月比+21.4%(同+1.3%)

(2)雇用(12月失業率)(出所:DANE

 (ア)全国平均  11.8%(12.0%)

 (イ)主要13都市平均 12.4%(13.0%)

(3)消費者物価上昇率(12月)(出所:DANE

 (ア)前月比 0.65%(同+0.08%)

 (イ)前年同月比 3.17%(同+2.00%)

(4)金利(1月末現在の政策金利)(出所:中央銀行)

  3.0%(2010430日,0.5%ポイント引下げ。以降据置き)

(5)為替(1月)(対ドル為替レート)(出所:中央銀行)

 (ア)月初  1,913.98ペソ

 (イ)月末  1,857.98ペソ

 (ウ)最高値 1,838.94ペソ(24日)

 (エ)最安値 1,913.98ペソ(3日)

(6)株式指数IGBC1月)(出所:コロンビア証券取引所(BVC))

 (ア)月初  15,368.27ポイント

 (イ)月末  15,077.93ポイント

 (ウ)最高値 15,368.27ポイント(1日)

 (エ)最安値 14,798.71ポイント(20日)

(7)貿易(出所:DANE

 (ア)輸入額(FOB)11月) 35.9億ドル(26.8億ドル,前年同期比+34.0%)

 (イ)同(111月累計)  345.9億ドル(282.9億ドル,同+22.3%)

 (ウ)輸出額(FOB)(11月) 34.3億ドル(28.6億ドル,同+19.7%)

 (エ)同(111月累計)  359.7億ドル(296.6億ドル,同+21.3%)

(8)労働者送金(出所:中央銀行)

 (ア)11月      3.7億ドル(3.5億ドル,同+3.9%)

 (イ)111月累計  36.0億ドル(37.2億ドル,同-3.3%)

(9)ガソリン価格(1月)(出所:鉱山・エネルギー省)

  レギュラーガソリン1ガロン 8,099.18ペソ(前月比+100.00ペソ)

(10)自動車販売台数(出所:Econometria社)

(ア)12 25,556台(18,531台,前年同月比+37.9%)

(イ)通年 253,869台(185,129台,前年比+37.1%)

(了)