(2月分)

経済情勢

2011年3月14日

在コロンビア日本大使館

 

Ⅰ.概要

218日,政府がトラックの運送料金制度の撤廃を打ち出したのを受け,国内各地でトラック・ストが発生。協議の結果,同制度の撤廃は615日までの延長措置が決定。

12日,アンデス通商促進麻薬撲滅法(ATPDEA)が失効。

16日,オルギン外相等はベネズエラを訪問し,アンデス共同体(CAN)に代わる2国間経済補完協定等について意見交換を行った他,ベネズエラ政府より貿易債務の支払いを許可されたコロンビア企業のリストが提出される等した。

2010年の対日貿易は,対日輸出が前年比+52.0%の5.1億ドル,対日輸入が同+40.1%の11.7億ドルと,コロンビア側の6.5億ドルの赤字となった。

 

Ⅱ.主な出来事

<国内情勢>

(1)実質GDP成長率見通し

中銀(415日):2011年は3.55.5%。先進国の景気回復,国際市場における一次産品の需要増加,国内における投資及び消費の伸びが主要因。なお,2010年は4.0%程度と予想。

 

(2)経済政策

(ア)「国家開発計画20102014:全国民の繁栄」:政府は4日,「国家開発計画20102014:全国民の繁栄」案を議会に提出した。予算は4年間で564兆ペソであり,治安改善,貧困削減及び雇用創出が3大目標となっている。

(イ)トラック・スト:当国では運送料金制度があるため運送コストが割高で,これの是正のため政府が同制度の撤廃を打ち出したのを受け,2日から18日まで,ボゴタを中心に国内各地で大規模なトラック・ストが発生した。事態の長期化を避けるため,ガルソン副大統領,カルドナ運輸相,アギラル及びビルビエスカス・コロンビア・トラック協会(ACC)代表は,17日深夜に3時間に及ぶ協議を行い,18日に双方は合意文書に署名した。これにより運送料金制度の撤廃は615日まで延長されたほか,現行の運送料金制度に代わる新制度の導入には輸送業者側も協議に参加すること,直近3年以前の交通違反への罰金を免除すること(トラック運転手の多くは罰金を支払っておらず,過去3年間分及び今後の徴収を確実に行うため),ディーゼル価格の設定と廃車還付制度を協議によって決定すること,及び,政府が国境付近の外国の貨物輸送車の取り締まりを強化することが合意した。

(ウ)国家同業者組合審議会は22日,サントス大統領及び経済閣僚等に対し,政府とのゲームのルールが不明瞭であるとし,不満を表明するため会談を行った。とりわけ,(ⅰ)トラック・ストへの対応,(ⅱ)国家開発計画に年金改革案を盛り込んだこと及び直後にそれを撤廃したこと,(ⅲ)最低賃金を1ヶ月以内に2度提示したこと等を指摘した。なお,両者は今後も定期的に会談の場を設けることで合意した。

(エ)生産改善プログラム(農産業分野):政府は23日,生産改善プログラムに関し,新たに①エビ養殖,②牛肉,③ヤシ,油及び脂,④チョコレート店・同工場・同原材料の4分野を加えると発表した。なお,同プログラムには,すでに①ビジネス・アウトソーシング,②情報技術及びソフトウェア開発,③化粧品及び洗面用品,④医療ツーリズム,⑤自動車・同部品,⑥図形コミュニケーション産業,⑦繊維,縫製,デザイン及びファッション,⑧電力エネルギー財及び関連サービスが挙げられている。

 

(3)企業動向

(ア)国営石油会社エコペトロル社(7日,同社プレスリリース):グティエレス社長は7日,プトゥマヨ県オリト市にて油田(Tinkhana-1鉱区)を発見したと発表した。試掘の結果,産出量は140バレル/日であった。同地域は生産及び輸送インフラが整備されており,近く本格的な生産を開始出来る見通しである。

(イ)岡村製作所(8日,当地紙報道):同社の宮田米州販売マーケティング部長は,2003年に業務提携を結んだカルバハル・グループの家具大手Mepal社(カリ市)を訪問した。Mepal社のカルバハル社長は,今後,岡村製作所の椅子とともにペルー,エクアドル及びパナマにおける販売拡大目指すと述べた。

(ウ)Dinissan社(10日,当地紙報道):日産車の輸入販売を行うDinissan社は,2011年中に販売店を3つ増やすと発表した。これにより,当地における市場シェアの前年の5.8%から8.0%,約23,500台まで引き上げることが狙い。

(エ)マツダ自動車(22日,当地紙報道):サンチェス社長は,2010年の年間販売台数は前年比37%増であったとし,2011年の目標は,「コ」国内生産車と輸入車合わせて18,000台と述べた。

 

<対外関係>

(1)対米関係

(ア)アンデス通商促進麻薬撲滅法(ATPDEA:12日,2010年末に米議会によって6週間の延長措置が取られていたATPDEAが失効した。このためディアス・グラナドス商工観光相は15日,影響を受ける輸出企業に対し,米議会が再びATPDEAを有効とするまでの間,コロンビア貿易銀行(Bancoldex)を通じた資金支援を行うと発表した。また,同相は21日に,米議会が3月中旬には再びATPDEAを有効とするだろうとの見通しと本年中の米議会における米・「コ」FTA承認を期待する旨述べた。

(イ)米・「コ」FTAに関する発言

(ⅰ)サントス大統領(14日):このところ民主党と共和党に歩み寄りの姿勢がみられることから,米議会は必ずや本年中に同FTAを承認するだろう。

(ⅱ)オルギン外相(11日):同FTAの年内承認を期待するが,もはや祈ることはない。

(ⅲ)ビジェガスANDI総裁(同):米国と再度FTA交渉を行うのであれば,自分には頼らないで欲しい。

(ⅳ)シルバ駐米「コ」大使(同):我々はテキストの見直しを受け入れない。

(ⅴ)対外関係助言委員会(「コ」歴代大統領及び外相により構成)(22日):米国はメキシコ,チリ,ペルー及び中米諸国と貿易関税に関する協定を締結しており,コロンビアだけを後らせる理由が見当たらない。差別的な扱いを受けていると結論づけるほかない。

(ⅵ)カーク米通商代表(9日):同FTAは,労働権利の保護及び労働組合員に対する暴力問題に進展がみられるとの条件付きで,本年中の承認は視野に入ってくるだろう。

(ⅶ)マックス・バーカス米上院議員(民主党,財政委員会長)(25日):同FTAは本年中に承認され,これに伴い「コ」の対米輸出は年間10億ドル増加するだろう。

 

(2)対中南米関係

(ア)対ベネズエラ関係:オルギン外相,リベラ国防相及びディアス・グラナドス商工観光相は16日,ベネズエラを訪問し,マドゥーロ外相,エル・アイサミ内相及びベタンクール貿易相と会談を行った。経済関係では,(ⅰ)本年422日以降,ベネズエラがアンデス共同体(CAN)を脱退するため,これに代わる2国間の経済補完協定の締結,(ⅱ)ベネズエラ政府のボゴタ市内における貿易事務所の開設,(ⅲ)323日にベネズエラ政府とコロンビア企業の会談実施等が決定されたほか,(ⅳ)ベネズエラ政府より,貿易債務の支払いを許可されたコロンビア企業のリストが提出された。

(イ)対パナマ関係:コロンビアを訪問していたパナマのバレーラ副大統領は3日,201010月以降中断しているパナマ・「コ」FTA交渉につき,本年中の合意を目指すべく交渉再開を提案した。

 

(3)対アジア関係

(ア)対韓関係:両国政府9日,韓・「コ」FTA交渉につき,ロサンゼルスでのミニラウンドを終えた。ソウルでの第5回会合開催に繋げるべく,4月に米国で再度交渉を実施することが決定した。なお,コロンビア側のサンティアゴ・パルド交渉団長は,農産品,とりわけ肉製品及び乳製品にかかる交渉が難航していると述べた。

(イ)対中関係:サントス大統領は13日,米フィナンシャル・タイムズ紙に対し,中国政府の資金協力により,パナマ運河の代替輸送手段として大西洋岸と太平洋岸を結ぶ両洋間鉄道(陸の運河)の建設計画がある旨述べた。

 

<経済指標>

(1)経済活動全般

(ア)実質工業生産指数(DANE発表):12月の実質工業生産指数(コーヒー豆加工を除く)は前年同月比+4.0%となった。建設用工具(同+48.1%)や自動車(同+43.7%),その他輸送機器(同+42.5%)及び自動車部品(同+41.7%)等の自動車関連がけん引した一方,印刷サービス(同-74.8%),家庭用機械(同-41.7%)は大幅に落ち込んだ。なお,2010年通年では前年比+12.8%であった。

(イ)実質小売売上高指数(DANE発表):12月の実質小売売上高指数は前年同月比+12.4%となり,前月に続き自動車・二輪車(同+51.3%),家庭用情報機器(同+39.4%),金物・ガラス・塗装製品(同+28.5%)及び家電・家具(同+18.5%)が高い伸びを示した。なお,2010年通年では前年比+4.7%となった。

(ウ)消費者信頼感指数(Fedesarrollo発表):1月の消費者信頼感指数(ICC)は16.3%と,前年同月を9.3%ポイント上回ったものの,5ヶ月連続の低下となった(8月:38.8%,9月:35.4%,10月:30.3%,1125.9%,1216.7%)。

 

(2)産業動向

(ア)原油生産量(国家炭化水素庁(ANH)発表):1月の原油生産量は83.9万バレル/日(前年同月比+13.1%)となった。なお,ANHでは,2015年には150万バレル/日に達するとみている。

(イ)石炭(コロンビア地質・鉱物研究所(INGEOMINAS)発表):2010年の石炭生産量は前年比+2.12%の7,430万トンと,前年の7,280万トンを上回った。主な生産県は,セサル県(3,600万トン)及びグアヒラ県(3,110万トン)であった。

(ウ)コーヒー

(ⅰ)生産及び輸出(コーヒー生産者連合会(FNC)発表):FNC加盟コーヒー生産者による1月のコーヒー生産量は90.8万袋(1袋=60㎏,前年同月は51.5万袋),同輸出量は84.8万袋であった(同54.1万袋)。また,輸出額は2.7億ドル(同1.3億ドル)となった。なお,FNC24日,2011年の生産量は950万袋(2010年は899万袋)との見通しを発表した。

(ⅱ)価格(国際コーヒー機関発表):1月のコロンビア産マイルド・アラビック・コーヒーの価格は,史上最高の月平均1ポンド=2.96ドルを記録した。

 

(3)物価・雇用(DANE発表)

(ア)物価:1月の消費者物価上昇率は+3.40%(前年同月比,以下同)であった(前月は+3.17%)。費目別にみると,食料(+4.81%),教育(+4.03%)及び保健(+3.93%)が高水準を維持した一方,衣服(-1.16%)と通信(-0.03%)は前月に続きマイナスとなった。なお,中銀のインフレ目標は31%。また,12月の生産者物価上昇率は+4.35%と,前月(+4.37%)並みであった。

(イ)雇用:1月の全国平均失業率は13.5%と,前年同月の14.6%から1.1%ポイント改善した。また,主要13都市の平均失業率についても,前年同月の15.3%から14.7%へと改善した。サンタマルタ社会保障相は,失業率に関する政府目標につき,2011年が10%台,2012年を一桁台と述べ,正規雇用化・雇用促進法の施行とインフラ,住居建設を中心とした景気回復による雇用創出を目指すとした。

 

(4)金融

(ア)金融政策:中銀理事会は25日に定例政策決定会合を開き,政策金利を0.25%ポイント引き上げ3.25%とする旨決定した。中銀プレスリリースによれば,「旺盛な国内需要と信用が拡大していること,2011年の経済見通しがトレンド成長率並みであること,インフレ率が長期目標圏の中央値近くなるとみられること,及び,1年超の期待インフレ率が目標を上回っていることから,理事会は緩和的な金融政策を徐々に縮小することを検討した。金融不均衡が生産及びインフレにマイナスの影響を及ぼすリスクを鑑みるに,長期的に低金利を維持することは適当ではないと判断した。また,最近のペソの対ドル為替レートは安定している」としている。なお,1日最低2千万ドルの為替介入(ドル買い)についても,少なくとも2011617日まで継続することを決定した。

(イ)金融部門利益(金融監督庁発表):2010年の金融部門利益は8.7兆ペソ,前年比+2.7%となった。また,このうち銀行部門利益は5.9兆ペソであった。

 

(5)財政(財務省発表):2010年の中央政府財政赤字は20.2兆ペソ,GDP3.7%(暫定値)となり,これに洪水被害に伴う特別支出を加えた中央政府財政赤字は21.0兆ペソ,同3.9%と,税収増が奏功しいずれも当初見通し(23.3兆ペソ,同4.3%)を上回った。歳入は74.9兆ペソ,同13.9%,歳出は95.1兆ペソ,同17.6%であった。なお,2010年の中央政府プライマリー財政赤字は6.2兆ペソ,同1.1%となった。

 

(6)貿易収支・投資

(ア)貿易収支(DANE発表):12月の貿易黒字(FOB)は,前年同月の2.9億ドルから0.8億ドルへと縮小した。輸入(CIF)は,39.8億ドル(前年同月比+30.1%)となり,映像機器(同+58.5%)及び自動車・部品(同+52.3%)が高い伸びを示した。一方,輸出(FOB)は原油・石油製品(同+38.8%)が伸び,伝統産品輸出が前年同月の18.8億ドルから24.7億ドルへと増加した結果,全体では同+20.6%の38.5億ドルとなった。

この結果,2010年通年の貿易収支(FOB)は,輸出が前年比+21.1%の398.2億ドル,輸入が同+23.0%の383.5億ドルとなり,前年比-11.8%の146.9億ドルの黒字を計上した。なお,2010年の対日貿易については,対日輸出が同+52.0%の5.1億ドル,対日輸入が同+40.1%の11.7億ドルとなった結果,コロンビア側の6.5億ドルの赤字となった。

(イ)対内直接投資FDI(中銀発表):1月のFDI流入額は13.7億ドル,前年同月比+117.0%であった。このうち石油・鉱物資源への投資は全体の92.7%を占める12.7 億ドル,前年同月比+124.3%となった。

 


Ⅲ.主な経済指標

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(了)