コロンビア共和国概況(平成23年5月現在)

概要
正式名称   コロンビア共和国(Republic of Colombia)

独立      1810年

面積      113.9万平方km(我が国の約3倍)

人口       4,566万人(09年,世銀)(中南米第3位) 

首都      ボゴタ

人種      混血75%,ヨーロッパ系20%,アフリカ系4%,先住民1%

言語       スペイン語

宗教       カトリック

その他     

120年以上の憲政(1886ー)を誇る民主国家。1970年代から80年代にかけて,他の中南米諸国が軍事政権を経験した中で文民政権を維持。豊かな天然資源,質の高い労働力,堅実な経済運営(非債務繰延国)を誇る潜在的発展性の高い国。
40年以上にわたり,非合法武装勢力による誘拐・爆弾テロ・破壊活動・麻薬取引等が続いており,国内避難民問題とともに,治安問題が歴代政権の最大の課題。
 
2.政 治
(1)基礎データ
政体      立憲共和制

元首      フアン・マヌエル・サントス・カルデロン大統領(任期4年)

外相     マリア・アンヘラ・オルギン・クエジャル

議会      二院制[任期4年,上院102議席,下院166議席,再選可]

主要政党及び議席数(11年3月現在)

国民統一党(U党)  上院 28議席   下院 48議席 

保守党             上院  22議席   下院 36議席     

自由党             上院 17議席   下院 36議席       

急進改革党      上院  7議席   下院 16議席 
 
(2)概況

[内政]
コロンビアは憲政120年を誇る民主国家であり,以降原則的に二大政党(保守党・自由党)による政治体制が継続してきた。他方,コロンビア革命軍(FARC)及び国民解放軍(ELN)の非合法武装勢力が40年に亘り存在し,政府,治安当局,外国人に対する政治目的のテロや資金調達のための誘拐等を行っており,またかかる活動のための資金は麻薬取引を通じ調達している。かかる非合法武装勢力の解体と同勢力の平和的な社会復帰が歴代政権の主要懸案事項である。

ウリベ前大統領は,2002年の大統領選挙において,対テロ強硬策を掲げ,第1回投票で過半数を獲得し当選,2006年の選挙でも再選を果たした。ウリベ前大統領は,国軍強化による治安政策の強化によって,非合法武装勢力への圧力を強め,誘拐事件の減少,都市部での治安改善等の成果を挙げ,就任以来同大統領に対する支持率は常に7~8割に達していた。2010年の大統領選挙では,ウリベ前大統領の後継候補のサントス候補が当選,治安対策を中心にウリベ前政権の路線を引き継いでいる。

国内最大の非合法武装勢力であるFARCに関しては最高司令官及び幹部が相次いで死去,殺害されるなど,FARC自身の弱体化が露呈してきている。08年7月,コロンビア国軍は,FARCにとらえられていた人質の内15名(内,仏等外国籍の人質4名を含む)の救出に成功,2010年6月にも4名の人質救出に成功,9月には政府の軍事作戦によりFARCナンバー2であった「モノ・ホホイ」が死亡するなど,今後のFARC及びコロンビア国軍の動きが注目される。


ELNに関しては,ウリベ前政権時代にキューバにて直接対話を実施(05年12月,06年2月,同年4月,同年10月及び07年2月)してきたが,現在進展は見られていない。
ウリベ前政権はパストラーナ政権が2000年に策定した「プラン・コロンビア」を継承,07年初頭には以後6年間を対象とした「第2プラン・コロンビア」を策定。

 [外交]
歴代政権は,米国との協調を優先しつつ,近隣アンデス諸国及びEU諸国との友好関係を維持,さらに日本を始めアジア・太平洋諸国との関係強化を外交の基本方針としている。 
隣国との関係は,エクアドルとは,08年3月にコロンビアがFARC掃討作戦を実施した際,コロンビア国軍がエクアドル領内にあるFARC野営地をエクアドル政府の承諾なく空襲したため,エクアドルが国交断絶を宣言,また,ベネズエラは,09年10月に署名された「米・コロンビア軍事協力補完協定」が,コロンビア国内の軍事基地を米軍が使用することを可能とするものであったため反発するなど関係が悪化していたが,サントス政権発足後,いずれの国とも関係改善が進んでいる。

 
3.経 済
(1)基本指標等
主要産業   農業(コーヒー,バナナ,切り花等),鉱業(石油,石炭,ニッケル,金等)

国民総所得(GNI) 2,245億ドル (09年,世銀)

一人当たりGNI     4,990ドル (09年,世銀) 

実質GDP成長率         0.8%(09年,国家統計庁) 

消費者物価上昇率       3.2% (10年末,国家統計庁)

失業率           11.8%(10年平均,国家統計庁)

貿易総額及び主要品目 (10年,国家統計庁)

輸入 383.5億ドル(機械,通信機器,化学品,自動車・同部品,食品)

輸出 398.2億ドル(原油・石油製品,石炭,コーヒー,ニッケル,切り花)

主要貿易相手国(10年,国家統計庁)

輸出相手国   米,EU,エクアドル,ベネズエラ,ペルー,ブラジル

輸入相手国   米,中国,メキシコ,ブラジル,ドイツ,アルゼンチン

対外債務残高    537.19億ドル(09年末,コロンビア中銀)

通貨      ペソ
(2)概況
コロンビアは,80年代の中南米債務危機にも唯一債務返済繰延をせず,一貫してプラス成長を記録するなど堅実な経済運営,良好な実績を誇ってきた。99年には32年以来のマイナス成長を記録したが,2000年以降は継続的に成長を続け,07年の実質GDP成長率は6.9%に達した。その後,世界的な金融危機に伴い08年は2.7%,09年は0.8%と減速したが,近隣諸国がマイナスを記録する中,プラスを維持した。なお,10年の政府予想は4.0%となっている。

主要輸出品目は,コーヒー(生産規模世界第3位),切り花(カーネーション及びバラの生産量は世界第1位)である他,天然資源にも恵まれ,石油,石炭(埋蔵量は南米第1位),ニッケル,金,エメラルド(産出規模世界第1位)等が採掘されている。

経済政策については,海外直接投資を積極的に誘致しており,国内の投資環境整備に力を入れている。また,貿易面では,自由貿易協定締結(対米FTAの米議会における批准待ちを含む)を推進している。なお,アジア・太平洋地域諸国との経済関係の文脈では,自由貿易協定等の他,APEC加盟実現が主要課題となっている。

コロンビアは,アンデス共同体(CAN)の加盟国,メルコスールの準加盟国。自由貿易協定(FTA)をG2(メキシコと構成),チリ及び中米3カ国(グアテマラ,エルサルバドル,ホンジュラス)と発効している他,米国,カナダ,EFTA(リヒテンシュタイン,アイスランド,ノルウェー,スイス),EUとは署名済みである。投資協定については,ペルー,スペイン,スイスと発効済み,中国,インド,英国及び韓国とは署名済みである他,我が国及びクウェートとは実質合意に至っており,現在署名へ向け準備中である。
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