コロンビア経済情勢(2月分)
1.概要
(1)7日から11日、カルタヘナで対米FTA交渉第7ラウンドが行われたが、農業部門及び知的財産権部門における交渉が前進せず、3月の交渉終了が不可能となった。3月以降分野別の交渉が行われる。
(2)上旬、IMFミッションが当国を訪問し3回目のスタンド・バイ・クレジットにつき合意した。また16日、ラトIMF専務理事が当国を訪れ経済関係機関等と会談を行いペソ高傾向を支持しつつも、「コ」の対外債務につき懸念を表明した。
(3)国家企画庁長官は2004年の経済成長率は目標(4%)を下回る3.9%になるとした他、中銀は今年の成長率を3.6%と予想。他方、当国FEDESARROLLO(シンクタンク)は2005年の経済見通しを発表し、経済成長率3.9%、インフレ率5.0%、財政赤字の対GDP比2.5%及び13都市平均失業率14.6%等を予測した。
(4)失業率は低下傾向にある(全国平均:13.2%、主要13都市平均:16.1%)。但し、ILOは「コ」のインフォーマルセクター労働者数は高水準と指摘。消費者物価上昇率は安定的に推移している(1.02%)。
(5)ペソの対ドル・レートは緩やかなペソ高傾向が続いた(月初1ドル2,363.75ペソ、月末2,327.98ペソ、月間最高値23日1ドル2,308.58ペソ、月間最安値7日1ドル2,365.79ペソ)。
2.主な動き
(1)対米FTA交渉関連(第7ラウンド結果については、往電第214号参照)
(イ)対米FTA交渉において、農業及び知的財産権分野における交渉が最も複雑となっているが、次回以降の交渉ラウンドにおいて結果等を出さなければならない重要な他の問題として、中古衣類の輸入、固定・携帯電話の交渉分離問題、鶏肉(切れ端部分)の輸入、「コ」の主要貿易市場であるベネズエラの交渉不在問題及び米国国内におけるFTA承認のための政治的情況が挙げられる。
(ロ)22日から25日、ボテロ商工観光相、アリアス農業相及びゴメス交渉代表はワシントンを訪問し、今後の交渉を活性化させるメカニズムを模索するために米国高官と協議を行った。幾つかのテーマについては交渉の前進が殆ど見られなかったが、ボテロ商工観光相は、交渉の最終段階においてより活発な議論が要求されている点につき、今までのように純粋に事務的に交渉するだけではなく、政治的要素も結びつけた交渉を始める必要があると述べた。また、本訪問の結果について、同3者は、「コ」は農業部門や鶏肉(切れ端部分)の輸入のようなセンシブルなテーマに関する交渉の余地は多くはない、即ち、実際上「コ」の立場はインフレキシブレであると述べた。
(2)二国間経済関係
(イ)国際的アナリストは、「コ」及びベネズエラ間のガス・パイプラインプロジェクトは重要ではあるが、両国にとって最重要なものではないとしている。また、パイプラインに対するゲリラの襲撃の可能性や二国間の不安定な外交関係のその運用への影響を想定すれば、戦略的観点からは時宜を得た計画とはならない。同様の理由から、「コ」太平洋側のトリブガ港に「ベ」の石油を運ぶ石油パイプラインのようなプロジェクトの優先度も高いとはいえない。他方、「ベ」が中国のような国々に石油を輸出するために太平洋へ石油を運ぶ基地としてパナマが新たな代替案として考えられている。
(ロ)中米とアンデス諸国の電力市場を統合する「コ」及びパナマ間の相互電線網プロジェクトは、海上ルートではなく地上ルートになる可能性があり、その場合のコストは1億7千万ドル以上となる。今後IDBの協力を得て、技術的、財政的及び環境的観点から引き続き分析及び協議が行われる。
(3)ロドリゴ・デ・ラトIMF専務理事の訪問(IMFミッションの結果については、往電第227号参照)
16日、当国を訪問したラト専務理事は、ウリベ大統領をはじめ経済関係官庁、学術機関及び報道機関等と会談を行ったところ、右概要以下の通り。
(イ)対外債務について、減少傾向にあることは認めつつも懸念が表明され、今後2010年までに対GDP比40%にまで下げる必要性を強調した。また、債務を低金利の長期債務に転換するため、また外貨建て債務をペソ建て債務に借り換えするために、「コ」が強くて安定的な通貨(ペソ)を活用するよう提案した。しかしながら、右のための外貨準備金の利用については否定的であった。
(ロ)為替について、ラト専務理事は為替政策が国内問題であることを確認しつつも、強い通貨を持つ利点を強調した。即ち、ペソ高は低金利、インフレ率及び債務の減少に貢献し、低コストの輸入による国内産業への利益、また、ペソ高は国際的な信用増大の明らかなしるしであるとした。同様に、強く安定的な通貨は低コストの資金調達を可能にするとた他、通貨政策は、インフレ対策を目的とすべきで、為替操作のためにあるのではないではないと述べた。
(ハ)上記の他、財政赤字、税制問題及び金融機関の効率化等についても述べた。
(4)2005年経済見通し
(イ)10日、高等教育開発財団(FEDESARROLLO)及び全国金融機関協会(ANIF)によりフォーラムが開催され、2005年の経済予測が行われた。2005年の経済成長率につき、ANIFは3.8%、FEDESARROLLOは3.9%と予測した。但し、急速な成長を示している他の南米諸国と比較すると、遅れを伴った経済回復であるとした。その他、FEDESARROLLOは、インフレ率5.0%、DFT金利8.0%、財政赤字の対GDP比2.5%、対ドル為替レート名目ペソ安5.5%(2,522ペソ相当)及び13都市平均失業率14.6%を予測した。また、両機関は、昨年政府は、石油価格の上昇、税収の増加及びペソ高を更なる財政赤字の減少のために充分利用出来なかったとの一致した見方を示した。
(ロ)上記フォーラムにおいて、カラスキージャ蔵相は、財政赤字目標2.5%は債務の持続性を脅かさない、財政調整を優先する、大統領の再選問題のような政治的理由から中央政府の歳出が増大することはないと明言した。
(5)2005年前期通常国会における経済関連重要法案
カラスキージャ蔵相は、3月16日から開会する前期通常国会における経済関連重要法案について、国家予算構造改革法案(IMFとの合意事項)及び証券市場法案を挙げた他、更に、新たな税制改革法案の提出も強調した。
(6)1月の税収
税関国税庁(DIAN)は、1月の税収は対前年同月比5%増の3.61兆ペソになったと公表した。
(7)インフラ整備
(イ)「コ」における港湾整備状況に関する世界銀行の報告によれば、「コ」の港湾は、その能力を40%~50%拡大しなければ、サービス、治安及び道路輸送能力不足によって、飽和状態に陥る可能性がある。対米FTAによる貿易量の増大はインフラの抜本的改善の必要性を意味しており、右調印が間近に迫っていることに鑑みれば、港湾整備のテーマは極めて優先的となる。
(ロ)ベレス航空局長は、エルドラド空港に関するコンセッショナル事業計画について、4月に入札を公示し、年末までに落札者を決定し、そして2006年初め以降に新たなオペレイターによる空港管理が開始されると述べた。マスター・プランにおいて、投資総額は25年間で10億ドルになっており、また、ボゴタ近くに位置するフランデス及びヴィジャビセンシオに新たに2空港を建設しエルドラド空港の貨物輸送機能を代替させることも検討されている。
(8)日本企業関連動向
(イ)9日、自動車組立会社SOFASA(ルノー、三井及びトヨタ共同出資)は、日本大使、ガジェゴ運輸大臣及びSOFASA社長の出席の下、ダイハツ「デルタ」の新生産ライン開始のセレモニーを催した。
(ロ)エドガー・ゴンザレス東芝PC部門の南米担当ディレクターは、「コ」市場への携帯機器の参入を強化し、また高品質且つ低価格の中古機器の輸出の可能性を模索していると公表した。
(ハ)シチズンは、2003年末以降「コ」市場への販売を停止していたが、新たなラ米戦略を公表し、今年の「コ」市場における売上100万ドル以上を目標に掲げた。
(9)中国関連動向
(イ)国家統計庁(DANE)によれば、2004年1月から11月までの中国からの輸入高が対前年同期比54%増の9億4千万ドルとなった(主にペソ高及び中国製品の低価格が理由)。右の結果、中国は「コ」にとって第3位の輸入先国となり、また、第2位のベネズエラとは近接しているため、近い将来入れ替わる可能性がある(第1位は米国)。中国からの主な輸入品は、電機部品、録音機器、靴及び玩具等となっている。他方で「コ」から中国への輸出は同期で1億2,200万ドルとなり、増加傾向にあるものの、極めて高い貿易赤字となっている。
(ロ)7日、「コ」及び中国の国交25周年の記念式典が開催され、その場において中国大使は、両国貿易関係が急増していることを強調した。現在、「コ」には中国企業10社が存在する。
(10)金融機関の動向
(イ)銀行監督庁は、2004年における金融機関の収益が対前年比62.1%増の2.91兆ペソになったと公表した。
(ロ)セルジオ・クラビジョ前中央銀行理事は、アビアンカ総裁になったファビオ・ヴィジェガスに替わり全国金融機関協会(ANIF)総裁に任命された。
(ハ)バン・コロンビア銀行の理事会は、右銀行が主導したCONAVI銀行及びCORFINSURA銀行の統合を承認した。3月28日、3銀行の株主総会が本統合を承認する予定。本統合により、「コ」金融機関最大の銀行が誕生する。
(ニ)農業振興基金(FINAGRO)は、農業セクター(2005年分)に対して対前年比5.5%増の2兆ペソのクレジットを用意した。その内、新たな生産性向上に資する灌漑施設建設のためのクレジット・ライン(1千万ペソ)が設けられ、土木工事及び機械設備の取得・設置に対する投資のファイナンスに向けられる。右は期間15年(据え置き3年)であり、プロジェクト・コストの100%まで資金融資が可能となっている。
(11)航空情勢
(イ)「コ」とパナマの航空当局は、2003年以来停止していた2国間航空協定の運用復活に関し合意した。右により、「コ」からは月56便、「パ」からは42便が就航することになる。
(ロ)伯シネルジー・グループによるアビアンカ買収の後、コンチネンタル系のコパ(パナマ)が、「コ」のアエロ・レプブリカ買収の交渉を検討している。同様にラン・チレ(チリ)も、「コ」のアイレス又はアエロ・レプブリカと交渉する意志を表明した。
(12)通信業界の動向
(イ)ボゴタ通信公社(ETB)及びメデジン公社(EPM)の統合について、未だ予備的ではあるが2004年末以降中長期的な見通しの下で検討に入っている。右統合案は、当国の携帯電話市場の89%を占めているTelefonica社(西)やTelmex(墨)のような多国籍企業に対抗するため、両組織の強化を目的としている(残りの11%がETB及びEPMによるColombiaMOVIL)。また、この統合によってインターネット、データ通信及びサービスのパッケージ化等、携帯電話のサービスを多様化することを検討している。
(ロ)ColombiaMOVIL(Ola)を創設したETB及びEPMの連携は、将来的な統合に向けた良い兆候と言えるが、未だ統合案は極めて準備的であり、技術的、財政的及び政策的分析を経なければならない。
(ハ)統合における問題の一つは、ETBが通信業のみの公社である一方、EPMは水及び電気のような他の公共サービスも取り扱っている点にあり、ETBは平等な交渉を行うためにEPMに分割を求めている。EPM側は、右通信部門のみ統合案に関して、積極的に検討している。
(13)フロリダ州企業ミッション
(イ)20日から23日、ブッシュ・フロリダ州知事を筆頭に90社190名の企業ミッションが当国との関係強化(投資機会及び貿易増加の模索)を目的として当国を訪問した。右ミッションは、企業訪問、各種交渉、及び生産分野の協会及び政府高官との会談等を行った。
(ロ)21日、ウリベ大統領との会談を行った同知事は、両国関係増進への関心及び投資を増大させるための基本的な要素として国の安全と信用の拡大を強調した。投資拡大に関心の高い分野として、保険、航空、運輸及びホテル業等が挙げられた。
(ハ)2004年の「コ」からフロリダ州への輸出は19億5千万ドル、またフロリダ州からの輸入は19億3千万ドルに達し、今後FTAによって更に両国間の貿易の拡大が期待されている。
(14)フランスの対「コ」投資支援策
在「コ」仏大使館は、「コ」は発展途上国のうち優先的経済支援の対象国になったとして、今後、仏政府は「コ」と交渉する仏の中小企業を支援すると公表した。右支援内容として、「コ」への投資を容易にするための各種保障や保険の適用がある。因みに、仏は対「コ」投資主要国であり、2004年は約5億ドルを投資した。
(15)ガソリン価格
鉱山エネルギー省は、3月1日以降のガソリン価格の新たな値上げを承認し、1ガロン5,307.08ペソとなる。右により価格は本年初以降で3.2%上昇している。一部アナリストは、今年末までに約6,400ペソまで上がる可能性があるとして懸念を表明し、右回避するために燃料税の廃止等を提案している。
(16)自動車販売台数
1月の自動車販売台数は、対前年同月比27.9%%増の9,203台であった(国内組立:6,173台、輸入:3,030台)。
(17)ラ米におけるインフラ整備推進の問題
イグレシアスIDB総裁は、ラ米にはインフラ整備の資金調達のための財政的な障害が根強く残っており、右は対米FTAのような国際経済の挑戦に立ち向かう妨げになっていると述べた。ラ米地域における他の共通問題として、国内外投資家の法的保護のための補償の欠如及び長期的な巨大プロジェクトをファイナンスする資金調達能力の低さ等が上げられている。
3.主な経済指標
(1)経済成長
(イ)モンテネグロ国家企画庁(DNP)長官は、2004年の第4四半期の経済成長率は4.5%と大きな伸びを記録し、そのため2004年全体では3.9%になると述べた。今後国家統計庁(DANE)によって正式な数値が公表されるが、政府目標の4%は達成されないことになる。
(ロ)ウリベ中央銀行総裁は、今年は家庭消費が伸びず、僅かな雇用創出に留まると述べた。これに先立ち中銀は、今年の経済成長率3.6%を予測し、低金利政策の維持及びインフレ率目標5%を損なわない範囲において経済の流動性を計ることを公表していた。
(2)製造業及び建設業
(イ)DANEは、2004年の製造業における生産、売上及び雇用は、対前年比4.87%、3.54%及び0.44%増と公表した。生産において製造業48部門中34部門が増加を示し、特に自動車産業及び同部品業が40.64%、及び製鉄業が12.27%増となった。売上においても自動車は38.59%と最も大きく伸びた。
(ロ)DANEは、昨年1月から11月における建設承認面積が、対前年比6.62%減の1,090万平方メートルになったと公表した。
(3)コーヒー
(イ)シルバ・コーヒー連盟(FNC)総裁は、2月末のコーヒー価格が最近5年間で最も高い1ポンド1.28ドルと高値を維持しているが、1ポンド3.21ドルになった1977年時の好景気には戻っていないと述べた。右発言は、過度の播種を避けることを目的としている。また、同総裁は、今年中にコーヒー店「フアン・バルデス」を国内外に40店舗を開店する計画があると公表した。他方、FNCは、コーヒー豆の国際価格の高騰によって、国内価格が1袋(125kg)50万ペソを超えて1977年以来の高値傾向を続けていると公表した。
(ロ)米国政府は同コミュニケを通じ、昨年9月の国際コーヒー連盟(OIC)総会の決定によって、今年2月3日以降米国はOICの正規加盟国となったことを受け、今後OICの他の加盟国と共に新たな市場開拓に向けて努力すると公表した。
(4)石油
7日、炭化水素庁(ANH)は、カリブ海沿岸域150万ヘクタールの水域におけるBHP・BILLITON社(英・豪)による技術評価に関する契約(約250万ドル)を承認した。また、石油公団(ECOPETROL)は、4月までにタンガラ(TANGARA)における石油貯蔵量調査の結果が判明すると公表した。
(5)金利
銀行監督庁は2005年3月の新規貸出金利最高限度を28.73%に引き下げた(先月29.10%)。
(6)貿易
(イ)DANEによれば、2004年1月から11月までの輸出(FOB)は前年同期比25.4%増の149億7,110万ドルになった。右は対ベネズエラ輸出が大幅に増加したことによるものである(137.7%増)。また、同期間の輸入(CIF)は前年同期比19.3%増の149億8,560万ドル(FOB:139億8,200万ドル)であった。この結果、同期間の貿易収支は9億8,910万ドルの黒字となった。
(ロ)コーヒーや石油のような伝統的輸出産品の国際価格の高騰が輸出量の低下を補っているが、右産品自体の国内生産が減少しているために、価格高騰の恩恵を受けていない。
(7)失業率
(イ)DANEは、「コ」の全国失業率は低下し続けているとし、2005年1月の全国失業率は過去5年間の同月で最も低い13.2%(前年同月17%)、また主要13都市失業率は16.1%(前年同月18.1%)と公表した。労働組合代表側は、雇用ポストが減少していることから、公表されている失業率は当国の労働実態と一致していないとして政府を批判した。
(ロ)国際労働機構(ILO)の南米事務所(リマ)は、南米において唯一失業率が低下している「コ」における労働状況を奇異と評した。即ち、失業率低下の原因が、新たな雇用ポストの創出によってではなく、家事及び学業活動に戻った者が仕事を探さなくなったために就業希望者数が減少したためである。懸念される他の側面として、分析された南米8ヶ国中、この13年間の「コ」のインフォーマルな労働者の数値は最高水準を示している。
(8)為替
(イ)2月の対ドル為替レートは、月初1ドル2,363.75ペソ、月末2,327.98ペソ、月間最高値23日1ドル2,308.58ペソ、月間最安値7日1ドル2,365.79ペソとなった。最近の傾向として緩やかなペソ高が続き、月末にドルが急激に上がった。しかしながら、アナリストは、未だ市場に豊富に外貨が供給されており、ペソ高は継続するとしている。
(ロ)国内外の主要アナリストの試算によれば、今年予想される名目ペソ安率は対前年末比で約5.6%、また、予想される最大の名目ペソ安率11%、最小1%とされている。
(9)消費者物価指数
DANEは、2月の消費者物価上昇率は1.02%(前年同月1.20%)、最近12ヶ月では5.25%(前年同期6.28%)を発表した。
(10)対外債務
(イ)中央銀行は、2004年11月末時点における対外債務残高は対GDP比41.3%の392億1,200万ドル(公的債務:255億400万ドル、民間債務:137億700万ドル)と公表した。
(ロ)中央銀行理事会は、ペソ高傾向を背景に外貨準備高10億ドルの政府への売却を決定した。本資金によって政府は、今年の第1四半期以内に対外債務の前支払い及び財政構造の改善を行う。カラスキージャ蔵相は、本オペレーションに関して、外貨準備高が高水準であり、また、インフレ率がコントロールされることを前提にIMFから反対を受けなかったと述べた。昨年は同様のオペレーションによって、政府へ5億ドル売却された。
(ハ)上記資金は、1999年の経済危機時にIDBより受けた緊急クレジット12億5,000万ドルの前支払いに当てられる。右クレジットの金利は年利6%と非常に高いため、今回の事前支払いにより年間6,000万ドルが節約出来ることになる。ウリベ大統領は、政府はペソ高傾向を利用して同様のオペレーションを継続するとしている。
(ニ)蔵相は、上記オペレーションを実施するために、3月に4回(2、9、16及び30日)、各6千億ペソのTES債を発行し、中銀に2兆4千億ペソを引き渡すことにより、中銀から10億ドルを引く受けることになると公表した。また、大蔵省によれば、4日時点での政府のTES債残高は63.78兆ペソ(274億4,600万ドル)となっており、今年は同様のオペレーションのため右TES債権2.3兆ペソの発行の他、24兆ペソのTES債の発行を予定している。
(ホ)オジョス国際協力庁(ACCI)長官は、「平和と発展」のための新たなプログラムの第一段階のファイナンスのために世銀から3億ドルの融資を受けたと公表した。なお、本プログラムは調査経費として既に世銀の日本基金より約54万ドルの援助を受けている。
(ヘ)国際格付け企業スタンダード&プアーズ社は、「コ」の外貨建て長期債務の格付け「BB」、また、ペソ建て債務「BBB」を変更せず維持することを決定した。また、同社は、高水準な債務の金利支払い、増え続ける国防費、固定的且つ膨大な地方交付金及び年金歳出構造によって、「コ」の財政状況が制限的になっているために、「コ」の格付けを改善しないと公表した。
4.今後の予定
対米FTA交渉日程
第8ラウンド:3月14日~18日(於:ワシントン)
繊維分野交渉:3月16日~18日(於:マイアミ)
二国間農業分野交渉:3月21~22日(於:ワシントン)
未定:4月中旬(於:リマ)
未定:6月(於:ボリビア)