コロンビア経済情勢(4月分)
1.概要
(1)9日、ウリベ大統領は沖縄におけるIDB総会に出席しアジアの投資家に対して「コ」への投資を要請した。また、IDBから2002年に受けた緊急クレジット(12億5千万ドル)の前倒し返却が認められた。下院第1委員会は年金改革法案を承認した。
(2)18日~22日にリマで開催された対米FTA交渉第9ラウンドにおいて、懸案の農業分野及び知的財産権分野の交渉は進展しなかった。今後予定されている2回の交渉での合意に懸念がもたれている。
(3)失業率は低下傾向(全国平均:13.1%、主要13都市平均:15.8%)、消費者物価上昇率も漸次低下傾向に推移した。
(4)4月の対ドル為替レートは、月初1ドル2,363.23ペソ、月末1ドル2,348.32ペソ、月間最高値13日1ドル2,328.74ペソ、月間最安値1ドル2,374.47ペソとペソ高傾向であった。
2.主な動き
(1)ウリベ大統領のIDB総会出席(於:沖縄)
(イ)9日、沖縄で開催されたIDB総会に出席したウリベ大統領は、経済の信用の回復、近年の明るい経済見通し及び治安状況の改善に鑑み、アジアの投資家、特に日本に対して「コ」に戻ってくるように要請した。また、大統領はその演説の中で、4つの具体的な点、(a)「コ」のテロを拒絶する姿勢、(b)投資活動の再開の要請、(c)「コ」を優良投資対象国と捉えること、及び(d)自国ペソ通貨クレジットの利用の促進に関するIDBの支持(予定)を強調した。
(ロ)2004年にIDBは「コ」に対して、IDB融資総額12%の7億3,700万ドルのクレジットを承認した。なお、2005年及び2006年において「コ」はIDBに11億7,300万ドルを要請している。右は、セクター別事業及び競争力強化プログラム(4億ドル)、カリのトランスミレニオ(乗客大量輸送システム)(2億ドル)、及びポルセⅢ水力発電プロジェクト(2億ドル)等に充てられる。また、12億5千万ドルの緊急クレジットの前倒し返還が認められた。
(2)第9回対米FTA交渉(4月18日~22日、於:リマ)
(イ)最も重要な分野の一つである農業分野において、大きな進展はみられなかった。米国は自国の関心事項を追求する一方で、検疫問題を指摘しつつ、アンデス諸国の実質的な農産品のアクセスについては顧みなかった。また、米国は右検疫問題を機動的に調査・解決するための常設委員会の設置について否定的な見解を示した。右状況下、「コ」の各生産団体は、もし農業分野が好条件で合意に至らなければ、FTAを署名すべきではないと主張した。
(ロ)新たな医薬品情報の特許権期間の問題につき、米国は変わらず5年間を主張し続けている(アンデス側は3年間)。縫製・繊維製品分野において、救済制度はクウォーター制ではなく、関税のみをもって応じることが決まった。また、アンデス諸国は原産地問題につき米国に対して、幾つかの繊維製品における第3国産の原料使用の割合の拡大を要請した。
(ハ)本ラウンドにおいては、23のうち2テーマ、即ち、ビジネス能力強化及び電子商取引につき合意をみた。前者については、FTAによる好機を最大限生かすために4カ国間の協力プロジェクトを実施するための委員会が設置される。また、後者の合意においては電子製品の関税撤廃が盛り込まれた。
(ニ)今後の見通しにつき、残りの2回(6月及び7月)の交渉によって農業及び知的財産権問題につき合意に至れるか否か高い不安が生じている。他方、ボテロ商工観光相及びゴメス「コ」交渉代表は、あと2回の交渉で右2分野は進展するとして、一部企業が提案している交渉の延期には反対した。
(3)その他対米FTA関連動向
(イ)第9ラウンドの少ない成果及びエクアドルにおける政治危機の影響に鑑み、「コ」一部企業家及び議員は、アンデス特恵麻薬取締法(ATPDEA)の延期の必要性につき再度議論を始めている。
(ロ)米国下院小委員会は、ペルー及びエクアドルにおける米国企業の係争案件の解決につき、両国政府の右解決に対する関心が欠如している点を厳しく批判した。また、一部議員は、両国をFTA交渉から外すように提案した。
(ハ)「コ」大統領府が行った対米FTAに関する世論調査によれば、2004年10月時点では交渉賛成が60.6%であったのが、現時点では61.4%となり、賛成派が増加している。
(ニ)3日、当国を訪問したノーム・コールマン(NormColeman)米上院議員は、農業分野における複雑な交渉はあるものの、米国上院議会は「コ」と米国とのFTA承認の意志があると述べた。また、モレノ駐米「コ」大使は、議会承認を得るためにロビー活動が行われていると公表した。
(4)経済・年金関連法案動向及び2006年予算総額案等
(イ)20日、下院第一委員会は年金改革法案を承認した。本法案の主な柱は、総額14ヶ月年金給付制度の廃止、年金給付金上限の設置(最低賃金25ヶ月分)、及び軍人・警察官・共和国大統領のための特別制度の廃止であり、また、制度移行期間が2014年から2010年までに変更された(但し、既に14年間労働に従事していたものは除く。)。本案の成立によって、2050年までに49.5兆ペソの財政的な余裕が生まれる。今後は、下院本会議、上院第一委員会及び上院本会議における議論に付される。
(ロ)大蔵省によれば2006年国家予算総額案は、前年と比べ歳出が13.36%増の106.53兆ペソとなる。主な歳出は、公的債務支払34.2兆ペソ、国防費11.47兆ペソとなっている。
(ハ)税関国税庁(DIAN)によれば、第1四半期の税収は対前年同期比11.3%増の9.75兆ペソとなり、当初の予測を5千億ペソ上回った。右要因は特にIVAの税収の増加であった。
(5)ウリベ大統領の訪日関連
(イ)ウリベ大統領は、中国訪問(6日から8日)後、9日から12日の日程で訪日し、IDB沖縄総会に出席した後、東京において天皇陛下との御会見、小泉総理大臣との首脳会談の他、日・コロンビア経済委員会等各種会合、会談に参加した。当地紙(「ラ・レプブリカ」)は在「コ」日本国大使とのインタビュー記事にて、同大統領訪日の最大の成果は、両国通商関係における信頼の回復であるとして、同大統領が経済委員会で「コ」の現状につき真摯に説明し、日本企業関係者に深い印象を与えた他、小泉首相及びJBIC総裁との会談において、「ラ・リネア・トンネル」建設プロジェクト及びオリノコ川上流域再生プロジェクトにつき援助を要請したと報じた。
(ロ)ウリベ大統領の訪日に合わせ、共同新聞発表が行われた。右は、今後の両国間の将来的な指針となると共に、職業訓練及び栄養改善関連の新規技術協力、更に「コ」中小企業関連若手専門家の招聘が言及された。
(ハ)6年振りに開催された第5回日本・コロンビア経済委員会において、ウリベ大統領をはじめモンテネグロ国家企画庁(DNP)長官及びプラタ貿易振興公社(PROEXPORT)総裁らが演説を行い、「コ」の治安状況、経済状況及び投資環境等を説明した。また、いくつかの有望プロジェクト(生物燃料、リネア・トンネル、ヴィチャーダ植林事業及びCDM関連等)の紹介があった。
(ニ)E.ピエドライタ(Piedrahita)ナショナル・チョコラテ社長は、訪日及び訪中の成果をレビューした中で、三菱との間の食料品分野及びファイナンス分野に関する4つの既存プロジェクトの強化、また、コーヒー連盟(FNC)・三菱・TsitWingCoffe(中国)の3社と共同で投資している中国のコーヒー焙煎プラントを強調した。
(6)ウリベ大統領の訪中関連
(イ)在「コ」中国大使は、ウリベ大統領の中国訪問は極めて高い成果を得たと評価した。両国間において、植物と動物の検疫上の協定、3千万人民元の無償供与及び2千万人民元の融資を含む経済技術協定が締結された。右無償供与及び融資の対象プロジェクトは、今後決定される。右協定の他に、通信及び文化分野における協定も署名された。
(ロ)プラタ貿易振興公社(PROEXPORT)総裁は、大統領の訪中に合わせて開催した中国企業との商交渉会は成功裏に終わり、右会合により「コ」企業は中国のニッチ市場の開拓を実現したと発表した。本会合には「コ」側から150人及び中国側から210人が参加した。具体的な成果は公表されていないが、幾つかの交渉の開始が確認されている。
(ハ)ウリベ大統領は、観光目的地として「コ」を含めるように中国政府に要請し、現在、中国国民に求められている観光ビザの免除を提案した。
(7)ガソリン価格
鉱物エネルギー省は、5月以降のガソリン価格を30.30ペソ値上げし、1ガロン5,376.30ペソにすると公表した。
(8)自動車関連
(イ)本年第1四半期における自動車の売上台数は対前年同期比23.7%増の31,183台となった。右は、ペソ高傾向及び各社のプロモーションに因るものとされる。
(ロ)マツダの自動車組立会社「コ」・オートモーター(CCA)は、第1四半期の売上台数が対前年同期比24.1%増となり、また、今後数ヶ月の見通しも明るいと公表した。
(ハ)トヨタ及びルノーの自動車組立会社ソファサ(SOFASA)は、3月期の輸出台数が対前年同月比119%増の798台と公表した(対ベネズエラ:590台、対エクアドル:208台)。
(ニ)本年9月から「コ」において自動車燃料に10%のアルコール燃料を混入させることを義務づけた法律が施行されるのに伴い、「コ」では同月からアルコール燃料の生産を開始する。国内5カ所のエタノール生産プラント(Manuelita、Incauca、Mayaguez、Providencia及びRisaraldaの砂糖生産工場)において、日産百万リットルが期待されている。
(9)主要企業動向
(イ)10,289社を対象にした企業監督庁の調査報告によれば、2004年、「コ」企業は、9兆ペソの中長期的な投資を行った。主な投資家として、カリブ・セメント(1.5兆ぺソ)及びババリア(4,414億ペソ)による企業再編成及び外国取引効率向上計画が挙げられる。他方、同年の調査対象の企業資産総額が271.6兆ペソと前年を大きく上回った他、また、収益も10.5兆ペソとなった。
(ロ)6日、「コ」証券取引所(BVC)において、コルタバコ社株96.65%がフィリップモリスに約7千億ペソで売却された。
(ハ)ガビリア・メデジン開発公社(EPM)総裁は下院議会の質疑において、EPMの通信事業には既に民間資本が参加しているが、これ以上民間資本が拡大することはないと述べた。また、議会に提出されたEPM理事会の報告書によれば、競争力強化及びサービス分野(TV、電話及びインターネット等)の市場確保のために同公社の各通信事業の分離が決定された。
(ニ)アビアンカ及びアエロ・レプブリカの外資による買収の後、「コ」の他の国内2航空会社、ウエスト・カリビアンとアイレス(Aires)は、ランチレ及びシネルジー(伯)とそれぞれ交渉を開始した。
(ホ)カルロス・サルミエント(CarlosSarmiento)氏の金融グループ、アヴァル(Aval)はPOPULAR銀行を買収するために、銀行監督庁に対して同銀行株24.5%の購入を申請した。他方、同氏傘下の金融コーポ、Corficolombia及びCorfivalleの両株主総会は、両機関の合併プロセスの開始を決定した。右合併による新たな金融コーポの資産総額は、4.1兆ペソとなる。
(10)海外からの送金
(イ)中央銀行は、2004年の海外から「コ」への送金総額を38億9,780万ドルから31億7千万ドルに修正した。右修正は、当初の算出において国際基金(寄付等)のような資金移動が加えられているという為替協会(ASOCAMBIARIA)からの指摘に因るものである。
(ロ)著名経済アナリストのホルヘ・ライによる調査「国際的人口移動と「コ」における送金」によれば、外国に在住する約3百万の「コ」人から「コ」へ送金される金額の60%は、食糧・公共サービス・医療・教育のような家庭生活の基本的な必要性を賄うために利用されている。また、同調査は、送金が貧困率を5%削減したと評価している。ちなみに送金全体の50.8%は米国、28.1%は西から出ている。
(11)その他
(イ)カルデナス高等教育開発財団(FEDESARROLLO)理事長は、政府による多くの農牧畜業支援策は効果を発揮していないと批判した。また、牧畜業中央研究所(CEGA)は、牧畜業は、ペソ高傾向の影響を著しく受けており、右傾向が続く限り、今年の同分野における成長率目標(4%)の達成は困難とした。
(ロ)テレコム&メディア社の統計調査によれば、「コ」におけるは携帯利用者数は1,130万人に達し、南米で4番目に利用者が多い。
3.主な経済指標
(1)経済成長率
(イ)国連ラ米経済委員会(CEPAL)の報告は、2005年の「コ」の経済成長率を3.1%から3.6%と予測している。右はラ米全体の予測平均(4.4%)及び政府とIMFによる目標数値(4%)よりも低い。他方、好調に成長する国としては、亜・ベネズエラ(6.5%)、チリ(6.2%)、ウルグアイ(6.0%)、ペルー(4.5%)及びホンジュラス(4.2%)となっている。また、ラ米全体が昨年(5.8%)よりも低成長になるとしているが、右要因として、世界経済の低迷、及び亜・「べ」・ウルグアイの昨年比での低成長が挙げられている。
(ロ)国家企画庁(DNP)は、5月にIMFと共にGDPの算出方法の見直しを行う。大蔵相は、現在用いられている方法を国際的に設定されているパラメーターに置き直して算出し直すとした他、右により僅かにGDP数値が上昇する可能性があると述べた。
(2)製造業及び建設業
(イ)国家統計庁(DANE)によれば、1月の製造業の生産、売上及び雇用の増加は対前年比1.96%、1.23%及び1.33%であった。また、全国工業協会(ANDI)及び各製造業団体によるアンケートによれば、本年1月及び2月期の生産及び売上は、同比7.4%及び6.2%増となった。なお、同アンケートは、各企業は生産性及び競争力を高めることによって、ペソ高に対抗していると公表した。
(ロ)2004年、特にボゴタ等の主要都市においてショッピングモール等の商業施設の建設が急成長し、建設業全体の成長の主な要因となった。しかし本年に入って建設業全体が比較的低成長に推移している。右は、昨年建設された商業施設のうち不況な施設がある等、その投資の効率にばらつきがあるためであった。しかしながら、中規模都市においてはこれまで同様の建設ブームが維持されている。
(3)コーヒー
(イ)国際コーヒー連盟(ICO)によれば、27日、「コ」産コーヒー豆の価格が1ポンド1.36ドルとなり、依然と高値傾向を示してしいる。右を受け、コーヒー業者は4月より収穫が開始される今年の収穫に対し楽観的な見方をしている。また、霜の影響を受けると思われる伯コーヒーの収穫高についての伯当局からの情報も価格上昇の要因となりうる。
(ロ)当国のコーヒー連盟(FNC)によれば、3月の生産及び輸出は対前年同月比8%減及び7.5%増となった。また、FNCは、16日、米国シアトルに米国において3店舗目となる「フアン・バルデス」コーヒー店をオープンさせた(NY及びワシントンに次ぐ)。FNCによると、今年後半、国内、米国及び西において更に新たな店舗を展開させる。
(4)石油
ジャノビッチ石油公団(ECOPETROL)総裁は、伯ペトロブラス及び「べ」石油公団(PDVSA)がカルタヘナ製油所拡張事業に関心を示しており、本年末までに同プロジェクトにおけるパートナーを決定すると公表した。他方、ADRAHAO「コ」ペトロブラス代表は、炭化水素分野におけるECOPETROLとの連携を実現させ、本年は5千万ドルの投資を行うと述べた。同様に、カルタヘナ製油所拡張事業の投資に関する交渉を行っている旨公表した。なお、同代表は、伯のメディアにおいてECOPETROLの買収を否定している。
(5)金利
22日、中央銀行理事会は公定歩合の維持(6.5%)を決定し、また、為替市場における大幅変動及びペソ高傾向を回避するための任意での市場介入の継続を公表した。また、銀行監督庁は、5月の新規貸出金利最高限度額を前月から0.26%引き下げて28.53%とした。
(6)貿易
(イ)ハビエル・ディアス全国輸出業者協会(ANALDEX)会長は、本年の輸出額は昨年(164億ドル)よりも伸びるものの、その伸び率は2003年から2004年にかけての伸び率よりも低くなると述べた。同様に、輸出額は石油生産の減少により低下するともした。
(ロ)商工観光省による調査「中国と「コ」の経済と貿易」は、両国間の輸出品に類似性はなく、世界市場において競合していないとした。右により、両国貿易関係は高い補完関係にある、二国間関係の強化は論理的には容易、中国輸出品が第三市場において「コ」輸出産品を脅かすことはないとされている。中国から「コ」への主要輸出品は、PC、通信機器、衣類、玩具及び履物のような製造品であるのに対して、「コ」から中国への主要輸出品は、石油、石炭及びコーヒーのような一次産品となっている。
(7)失業率
(イ)DANEは、本年3月の全国失業率13.1%(前年同月13.6%)、また、主要13都市失業率15.8%(前年同月17.1%)を公表した。
(ロ)エクステルナード大学により実施された2004年までの労働改革に関する評価によれば、右改革の効果は際立ったものではなく、政府の予測を下回っている。また、民間セクターにおける労働コストの削減が見られた。総体的には、政府の労働改革は労働市場にネガティブな影響は与えていないが、雇用の量と質の改善に資していないとされる。
(8)為替
(イ)4月の対ドル為替レートは、月初1ドル2,363.23ペソ、月末1ドル2,348.32ペソ、月間最高値13日1ドル2,328.74ペソ、月間最安値1ドル2,374.47ペソとペソ高傾向であった。最近12ヶ月でのペソ高率は11.1%、本年初以降で1.9%となる。アナリストによれば、当月において比較的安定して推移した要因には、米国経済の回復及び4月特有の企業による税金支払いのためのドルからペソへの換金を通じた市場へのドル流入が低調であったことが挙げられる。他方、5月3日に米国金利の上昇が予想されているため、為替市場への影響が予想されている。
(ロ)サセルナ中銀理事は議会において、ペソ高を抑制する政策は従来からの中央銀行の市場介入だけでなく、政府による方策もあり、例えば、公的債務操作及び公的年金債務操作等があると述べた。
(ハ)中銀は3月に1億7,040万ドルのドル買市場介入を行ったが、1月及び2月に比べ低いドル買水準となっている。他方、中銀は同月において債務前払いのために政府に対して10億ドルを売却した。
(ニ)国会に提出された中銀の年報によれば、2004年の名目ペソ高率は14.1%、同年の外貨準備高は対前年比25%増となった。また、ペソ高傾向は一時的なるものとしつつも、何時頃終わるかは明示されず、市場介入政策が継続されるとしている。
(9)消費者物価指数
DANEによれば、4月の消費者物価上昇率は0.44%(前年同月0.46%)、最近12ヶ月では5.01%(前年同期5.49%)と低水準に推移している。他方、一部アナリストは、インフレ率の低下傾向は、消費と経済の低成長の結果であって、雇用創出や貧困対策の成果に基づくものではないとしている。
(10)対外債務
(イ)中央銀行は、2004年12月末時点における対外債務残高は395億6,100万ドルと公表した(公的債務:257億7,900万ドル、民間債務:137億8,200万ドル)。2004年は高いペソ高傾向であったが、対外債務残高の対GDP比は1月の39.5%から12月の40.6%に上がった。また、中銀は、TES債の発行残高が68兆7千億ペソとなり、最近12ヶ月で国内債務が増加していると発表した。
(ロ)サルディ大蔵省公債局長は、4日、「コ」政府はIDBに対して、2002年に承認を受けた12億5千万ドルの緊急クレジットを返却したと公表した。同額のTES債発行によって実現した右オペレーションにより、債務の為替損が減少し、約1億1,500万ドルの貯蓄が国家に与えられる。また、同局長は、国際金融機関からの借入に関して将来的に同様のオペレーションの実行を否定しなかった。
4.今後の予定
対米FTA交渉日程
第10ラウンド:6月6日~10日(於:グアヤキル)
第11ラウンド:未定(於:ワシントン)