コロンビア経済情勢(5月分)

 

1.概要

(1)年金改革法案が下院本会議及び上院委員会を通過したが、年金の構造的な赤字を克服するには不十分であると批判されている。

(2)429日に更新されたIMFとの3回目のスタンド・バイ協定の有効期間は本年52日から2006116日までの18ヶ月間、緊急資金融資額は61,300万ドルとなる。

(3)本年第1四半期の低成長が予想される中、中央銀行は本年の経済成長率4%を強調。一方、全国金融強化は本年は3%4%を予想。

(4)失業率は低下傾向(全国平均失業率:12%、主要13都市平均失業率:14.5%)、消費者物価上昇率も低下傾向(0.41%)に推移した。

(5)ペソの対ドル為替レートは緩やかなペソ高傾向であった(月初1ドル2,348.32ドル、月末2,338.89ペソ、月間最高値242,328.69、月間最安値22,349.59ペソ)。最近12ヶ月のペソ高率は、昨年1年間の14%を超える15.8%となった。

 

2.主な動き

(1)対米FTA交渉関連

(イ)幾つかの分野における米国の頑なな態度、「コ」及び米国の二国間農業交渉の日程の未決定、米国農業交渉代表の突然の辞任、エクアドル交渉代表の交代及びボテロ商工観光相辞任の噂等により、第10回交渉(66日~10日、於:グアヤキル)を控えて不安定な情況が出ている。5月末時点において、「コ」は第10回交渉に参加するか否か決めておらず、米国側による二国間農業交渉の日程の決定が今後の方向性を決める。なお、今交渉においては農業交渉を含めず、右についてはアンデス各国が米国とバイで交渉することが事前に決まっていた。

(ロ)アリアス農業相は、米国が市場を開放すると同様に「コ」も市場を開放すると述べる一方、「コ」は国内農業セクターに悪影響を及ぼすような事項は受け入れられないと強調した。更に、同相は、対米FTAは農業セクターの成長、新たな市場の獲得及びテロ問題の解決等に寄与するものであり、交渉の失敗は考えられないが、補助金制度を継続させた自由化の度合の低いものになる可能性があると認めた。

(ハ)ボテロ商工観光相は、対米FTA交渉は困難な時期を迎えているとしつつ、農業協会(SAC)からの要請を検討することを約束した。他方、ゴメス「コ」交渉代表は、第10回交渉において、市場アクセス、投資及び知的財産権分野での交渉進展、貿易障壁及び通信分野等での交渉終了が期待されると述べた。また、同代表は、通信分野において、ほぼ確実に携帯電話と地方通信網は交渉から外されるとした。

(ニ)農業省による調査「対米FTAの「コ」農業への影響」は、FTAは基本的には農業に資することになるが、より多くの研究、技術への投資及び融資制度の確立が必要であると結論付けた。

(2)2005年経済見通し

全国金融協会(ANIF)及び高等教育開発財団(FEDESARROLLO)等による経済分析は、第1四半期の経済成長は2.1%3.1%(前年3.8%)になるとして、本年全体の経済成長の失速傾向を懸念し、経済成長率4%等の各種経済予測の下方修正を始めた。右の主な要因として、主要作物の収穫減少、建設業の低成長、伝統産品の輸出量低下、消費者の信用低下、大統領選挙に関する不安、対ドル為替相場(ペソ高)、輸入の増大及び財政構造改革の遅延等が挙げられる。

(3)経済・年金改革関連法案の動向

(イ)年金改革法案は、11日に下院本会議及び31日に上院委員会において議決された。右委員会において、年金給付金上限制度(25カ月分)の開始を、当初の2010年案から法施行開始時に早める修正が行われた。本法案成立に向けた今後の手続きは、上院本会議の議決(注:616日に可決)及び憲法裁判所の承認だけとなった。他方、キンチェ社会保障基金(ISS)総裁は、右法案に関し、ISSの赤字を解消するには年金給付年齢調整等の更なる改革が必要とし、現在の法案では不十分と述べた。

(ロ)「コ」金融セクターは、銀行協会を通じ政府に対して、送金税及び金融取引税の撤廃を要請した。他方、カラスキージャ蔵相は、2006年から金融セクター改革を開始するために、オペレーション及び法制度の両面から金融セクターの分析を行う予定と述べた。右改革は、資本移動に伴うコストの削減を主な目的の1つにしている。

(4)投資家のための法的安定性確保法案

(イ)25日、下院第2委員会にて、「コ」における投資家の法的安定性を確保することを意図した法案が可決され、右成立までに下院本会議の承認を残すのみとなった。本法案は、前国会において上院通過後、下院にて否決され、今国会においてボテロ商工観光相が下院に対して復活審議要求を行った経緯がある。

(ロ)本法案により、(国内外の)投資家は政府と契約を交わし、一定の保険料を支払うことにより法的安定性が保証されることになる。本法案の対象は、500万ドル以上の事業に対する投資若しくは過去の500万ドル以上の事業に対する再投資となり、期間は20年となる。しかし、金融、労働、社会保障及び税制制度等に関する改革は保護の対象外となる。ボテロ商工観光相は、本法案の成立は、投資家の信頼を促す法制度の確立に向けた重要な一歩であるとして、右により国家が必要とする投資の増加が可能と述べた。

(5)IMFとのスタンド・バイ協定の更新

429日、IMFは、1999年から続く「コ」とのスタンド・バイ協定の3回目の更新を承認した。右協定の期間は本年52日から2006116日までの18ヶ月間、緊急資金融資額は61,300万ドルとなる。蔵相によれば、今回の本協定更新は最後のものとなり、IMFとの関係が強い依存関係から通常の関係になる過渡的なものとなると述べた。本協定における主な合意事項としては、(イ)2015年までに公的債務を対GDP38%の水準に削減、(ロ)本年の財政赤字目標対GDP2.5%IMFは約0.3%の対インフラ公共投資を承認)及び(ハ)公的金融機関の民営化等が挙げられた。

(6)財政問題

(イ)クラビホ全国金融協会(ANIF)総裁は、(a)過度な財政支出により財政状況は極めて深刻、(b)現在審議中の年金改革法案は国家財政における年金負担を軽減するには不十分、(c)財政問題の解決には地方交付税の大幅削減及び構造的な税制改革が必要、と指摘した。

(ロ)税関国税庁(DIAN)によれば、本年4ヶ月間における税収は、政府目標を大幅に超える対前年同期比12%増の14.43兆ペソとなった。右状況を踏まえ、DIANは本年全体の税収目標を40.6兆ペソから41.3兆に上方修正した。

(7)エコガス(ガス輸送公社)の民営化

5日、政府は、政令1404号によってエコガスの売却条件を決定した。総額約7,500億ペソで売却され、7,500万株が発行される。政府は、右資金を債務削減に利用することになる。他方、エコガスは、ベネズエラ、パナマ、エクアドル及びパナマ等との二国間プロジェクトを手掛けているために、民営化に反対する意見もあり、政府及び国会議員の間で議論を呼んでいる。

(8)対ラ米商交渉会(16日~18日、於:メデジン)

(イ)16日~18日、貿易振興公社(PROEXPORT)の主催によりラ米25カ国のバイヤー350社と「コ」企業家684社が参加して商交渉会が開催され、ウリベ大統領が開会の挨拶を行った。プラタPROEXPORT総裁によれば、本交渉会は過去最大規模であり、約7億ドルに登る交渉の成立が見込まれている。最も取引の多かった国はメキシコ及びペルーで、分野別では製造業及び農産加工業であった。

(ロ)今後、622日に対ベネズエラ商交渉会、同月27日に対伯商交渉会が予定されている。特に「コ」にとってベネズエラは第2の貿易相手国であるために重要な交渉会となり、今年は両国間で31億ドルの貿易量が期待されている。また、伯との交渉会においてはルーラ大統領が出席予定となっている。

(9)企業動向

企業監督庁が企業113社を対象にサンプル調査した結果によれば、第1四半期における収益は対前年同期比43%増であった。カリブ・セメント、アルゴス・セメント及びカリブ石炭3社のグレンコール社(瑞)に対するハグア鉱山売却、テレフォニカによるベルサウスの買収、また、フィリップ・モリスによるコルタバコの買収が大きなものであったが、右企業を除く他企業の収益は、同期比12%減であった。

(10)プラン2,500km

(イ)2日、国家社会政策審議会(CONPES)は政府に対し、地域統合発展幹線道路整備計画(プラン2,500km)のために、78,280万ドルの対外借入を承認した。右計画は、国の競争力及び生産性の向上を目的としており、具体的には、2,500kmの道路整備及び700kmの道路舗装となっている。

(ロ)「コ」社会資本整備協会は、「コ」はインフラ整備の面で遅れをとっており、対米FTAに備え競争力を高めるには、今後6年間で100億ペソの投資が必要としている。

(11)ガソリン価格

鉱山エネルギー省は、61日以降、1ガロン10.03ペソの値上げを承認した(1ガロン5,386.33ペソ)。今回の値上げは、ペソ高傾向が国際石油価格の値上がりを相殺したかたちとなり、本年以降で最も低い値上げ幅となった。

(12)自動車関連

(イ)4月期の自動車の販売台数は、対前年同月比29.02%増の11,842台となり、最近数年間における1ヶ月の販売台数の最高記録となった。本年当初4ヶ月では、前年同期比25.1%増の42,025台となった。他方、G3の枠組みにおける自動車関税の段階的撤廃措置の開始により、墨で生産されたニッサン車の売上が、60%増となった。

(ロ)ネル・キハーノ「コ」スバル社長は、コマーシャル戦略及び融資プラン等によって、本年当初4ヶ月間における売上が前年同期の3倍になったと公表した。

(13)三菱電機エレベーター5,000台製造記念式典

16日、アンティオキア県ベージョ市において、三菱電機のエレベーター5,000台製造記念式典がウリベ大統領の出席の下で行われた。同大統領は、「コ」を訪問する日本人企業家に対する治安上の保護を約束した。

(14)中国関連

(イ)今年8月以降、新たな中国車WuingGeelyが「コ」において販売される。排気量は1,300CC、価格は2,200万ペソから2,300万ペソとなる。販売は、ヒュンダイ・グループ系列のCinascar社が行う。

(ロ)政府は政令1480号により、中国からの輸入品によって損害を受けている「コ」企業を調査し、特定の品目(例えば履物、繊維及びセラミック)に対する救済制度を検討する。

(ハ)本年1月からのWTO繊維協定失効により、国内繊維企業は損害を受け始めている。米国の大手各企業は、中国から購入するために「コ」企業からの注文を停止した。また、リサラルダ県の繊維機械業の約20社が右状況を理由に倒産した旨公表された。

(15)IDB総裁選挙

31日、イグレシアスIDB総裁の辞任が表明された。6月の第2週目にはモレノ駐米「コ」大使が立候補を表明する予定である他、SAYADIDB副総裁(伯)、ガルシア現アンデス公社総裁(ボリビア)及びダニーノ現世銀理事(ペルー)らが立候補する可能性がある。モレノ同大使は、アンデス関税法の延長及びFTA交渉等米国との二国間関係強化において業績がある。

(16)農村部における貧困率の悪化

アレハンドロ・ガビリア元DNP副長官によれば、都市部における貧困率は改善しているものの、農村部における貧困率は2003年の66.2%から2004年には69%に上昇し、また極貧率も同期間比で24.9%から28.3%に増加した。右の主な要因としては、高失業率及びインフォーマルな労働者の増加が考えられており、同氏は農村部に対する真の社会政策の推進を求めた。右に対して、アリアス農業相は右数値の悪化を認める一方、2004年は農村部にとってペソ高がネガティブな要因となったこと、また、2002年の76%と比較した場合、現政権の対農村部政策が貧困率を削減させていることを強調した。

(17)その他

(イ)国連の報告によれば、「コ」は国家の統治能力の6つの指標の内、5つを改善させた。特に汚職防止については1996年以来の改善となり、右の他、行政の効率性、政策の安定性及び社会的権利が改善した。他方、唯一悪化した指標は規制制度であった。

(ロ)国際獣疫機関(OIE)は、「コ」における新たな口蹄疫非感染地域(中央部及び南部地域)を決定した。右は、国内畜産業者にとって肉類輸出を可能とする新たな1歩となる。

(ハ)カルタヘナで開催された第9回ドイツ・ラ米経済会議において、RezzoSchlauch独経済省次官は、EU、特にドイツとの経済関係強化のために、二国間投資保護促進協定及び二重課税防止協定の締結の必要性を強調した。

(ニ)会計検査院副院長は、海外在住「コ」人から国内への送金がマネーロンダリングに利用されているために、送金統制及び監視の拡大に関する法制の整備の必要性を述べた。

(ホ)アリアス農業相は、政府の農業政策を厳しく批判した高等教育開発財団(FEDESARROLLO)に対して、主な政策の1つは市場開放であり、右はメルコスールとの貿易補完協定によって既に達成され、また、米国とも現在FTA交渉中であると答えた。更に、同相は、最も厳しく批判された農業補助金については、為替及びテロ等による価格変動による損害に対する補償、及び45万ヘクタールの違法農業地域の回復に役立っていると強調した。

 

3.主要経済指標

(1)経済成長率

(イ)ダリオ・ウリベ中央銀行総裁は、本年第1四半期の低成長が予想される中で、本年全体の経済成長率4%の目標維持を強調した。右の主な理由の1つとして、コーヒーの国際価格の上昇により50万のコーヒー農園主の収入及び消費が増加し、経済のダイナミズムさが維持されているためとした。

(ロ)国連ラ米経済委員会(CEPAL)委員長は、「コ」は、その遅いテンポの経済成長にも拘わらず、今後数年間において持続的な回復の見通しを持っているとし、「コ」の今年の経済成長は3.1%から3.6%になると予想した。また、同委員長は、52%にまで達した「コ」の貧困率削減に対する努力を評価する一方、更に貧困率を削減するためには数年間に渡り少なくとも5%の経済成長が必要であること、及び「コ」が魅力的な投資対象国になるためには、課税率引下げ等を含んだ新たな税制が必要であると述べた。

 (ハ)全国金融協会(ANIF)は、第1四半期の経済成長率を2.1%から3.1%(前年同期3.8%)、本年全体で3%から4%を予想している。

(2)製造業及び建設業

(イ)国家統計庁(DANE)によれば、2月期の製造業の生産、売上及び雇用はそれぞれ対前年同月比-0.03%1%及び1.22%となった。他方、本年当初2ヶ月期の数値につき、DANEと全国工業連盟(ANDI)の調査結果に乖離が出ている。ANDI側は同期の生産及び売上に関して対前年同期比7.4%及び6.2%とし、他方DANE側は1.3%1.04%とした。右状況に関して、ビジェガスANDI総裁は、DANEが最近数年間調査対象を変えず、中小企業をカウントしていないと批判した。

(ロ)ビジェガスANDI総裁は、本年全体の製造業の成長率は4.3%になると述べた。他方、政府によるTES債の過剰発行が、製造業部門に対する投資を阻んでいると述べた。

(ハ)2月期の建設承認面積は対前年同月比-7.75%(前年24%)、また、本年当初2ヶ月期では2.39%(前年8.57%)となった。しかしながら、2月期の建設業全体では25.86%となった。

(3)コーヒー

コーヒー連盟(FNC)によれば、本年4月期の収穫は対前年同月比24.9%増の922千袋(前年同月738千袋)となり、輸出も大幅に伸びた。シルバFNC総裁は、本年全体の輸出高が17億ドルに達すると見込んでいる(1998年の20億ドル以来最高)。右の主な理由は国際価格の回復であるが、同総裁は、同高値傾向は2007年まで続く可能性があると述べた。

(4)石油

(イ)19日から20日(於:カルタヘナ)、鉱山エネルギー省及び米国エネルギー省により「「コ」炭化水素セクターへの投資機会」セミナーが開催され、国内外の投資家が約400人参加した。サモラ炭化水素庁(ANH)長官は「プラン2020」、即ち、今後15年間で12億ドルの投資誘致及び毎年25千万バレルの埋蔵量増加(現在14億バレル)を実現し、「コ」の石油自給を保持する計画を発表した。メヒア鉱山エネルギー相は、「コ」の石油政策の他に未調査の広大な地域は外国人投資家にとって魅力的であると述べた。なお、ANHとフロリダ国際大学は、共同研究及び技術移転に関する援助の機会拡大を目的とした合意書を交わした。

(ロ)石油公団(ECOPETROL)の発表によれば、第1四半期の日産平均は昨年同期とほぼ同様の522千バレルとなったが、昨年1年間の平均(528千バレル)を下回った。専門家によれば、この調子で減少し続けた場合(4年前に比し4%のペースで減少)、本年の日産平均は51万バレルにまで落ち込むと憂慮されている。

(ハ)航空会社アヴィアンカを買収した伯シネルジー・グループのエフロモヴィッチ総裁は、今後5年間において「コ」の石油セクター開発のために10億ドルを投資すると公表した。

(5)金利

20日、中央銀行理事会は、公定歩合の維持(6.5%)、及びペソ高傾向を回避するために随時市場介入を続ける旨公表した。また、銀行監督庁は、6月の新規貸出金利最高限度額を28.28%とし8ヶ月連続での引き下げを行った。(先月28.53%)。

(6)貿易

DANEによれば、本年1月の輸出高(FOB)は前年同月比15.4%増の136,270万ドルとなった。国別では、対ベネズエラが54%増となり、特に自動車の輸出が多かった。また、輸入高(FOB)は同比22.2%増の136,730万ドルとなった。この結果、同月の貿易収支は460万ドルの赤字となった。

(7)雇用

(イ)DANEは、本年5月の全国平均失業率を12%(前年同月14.7%)、また、主要13都市平均失業率を14.5%(前年同月16.9%)と公表した。

(ロ)蔵相は、上記失業率の低下は第1四半期における製造業の成長に因るものであると述べた。また、ウリベ大統領は、インフラ整備事業が順調に着工した場合、今年末の全国失業率は10%になる可能性があると述べた。他方、アナリストは、右低下は人口伸率の低下、及び労働市場からの多くの労働者が去ったことに因るところが大きいと述べた。

(8)為替

(イ)5月の対ドル為替レートは、月初1ドル2,348.32ペソ、月末2,338.89ペソ、月間最高値(24日)2,328.69ペソ、月間最安値(2日)2,349.59ペソとなり、緩やかなペソ高傾向であった。また、本年以降のペソ高率は2.6%、最近12ヶ月では昨年一年間の14%を超える15.8%となった。

(ロ)為替市場アナリストによれば、内部的及び外部的要因により穏やかなペソ高傾向が第3四半期まで続き、本年末は約1ドル2,500ペソで終える可能性がある。他方、一部政府関係者は、2,300ペソを下回ることはないものの、ペソ高傾向は第3四半期以降も継続するとしている。

(ハ)エクステルナード大学はその調査により、「コ」にとって競争力のある為替水準は1ドル2,670ペソであり、現在は右水準よりも300ペソ低いとして、政府に対して右水準に近づけるための為替政策を求めた。

(9)消費者物価指数

DANEは、5月の消費者物価上昇率は食料品に押し上げられて0.41%、また、最近12ヶ月では5.04%と発表した。

(10)対外債務

(イ)中央銀行は、2月末の対外債務残高は対前年同期比0.33%増の3969,200万ドル(公的債務:2585,500万ドル、民間債務:1383,700万ドル)と公表した。なお、ペソ高傾向により対GDP比では33.5%に減少した。

(ロ)17日、大蔵省公債局は、2009年償還期限の国債(16,000万ドル)を全て再購入し、同時に、2013年償還期限の国債を33,500万ドル発行したと公表した。右の内、17,500万ドルは国家の追加予算となる。最近、IDBからの借入(125千万ドル)を事前返却したように、このようなオペレーションは2006年予算の財政負担を軽減させることを目的としている。

(ハ)IDBは社会保障省及び国立保健機関に対して、5歳児までの免疫性向上プログラムに1700万ドルの融資を承認した。右により、ワクチン及び医療機材の供与、更に人的キャパシティー向上のための技術援助が実現する。

 

4.今後の予定

対米FTA交渉日程

コ・米国二国間交渉(農業分野):7月11~13日(於:ワシントン)

第11ラウンド:7月18~22日(於:マイアミ)