コロンビア経済情勢(10月分)

 

1.概要

(1)中央銀行は第2四半期成長率を5.3%として本年全体の経済成長率予測を4.2%から4.7%に上方修正し、2006年も4%以上の成長維持と楽観的な観測を示した。

(2)対米FTA交渉に関し、17日~21日、農業及び知的財産権分野等のセンシティブな分野の分野別交渉が行われたが、大きな前進は見られなかった。他方、23日の「コ」及びエクアドル大統領会談において11月末までの交渉終了、ペルーと共にセンシティブ分野における解決策の模索等が宣言された。

(3)19日、総額105.4兆ペソ(対前年比13.1%増)の2006年度予算が成立した。地方交付金、年金支払及び公的債務支払が歳出の大半を占めており、予算の硬直化が指摘されている。他方、カラスキージャ蔵相は、本予算は当国のマクロ経済の安定化継続に合致していること、治安対策及び要請度の高い社会問題への十分な予算配分であることを強調した。

(4)IMFは「コ」の経済政策への支持を表明し、対外債務削減、インフレコントロール、金融機関の競争の促進及び財政赤字削減等を評価した。

(5)失業率は低下傾向で推移(全国平均11.2%%及び主要13都市平均13.5%%)した。他方、ILOの調査結果によれば「コ」の就業人口中60%は不完全就業者に分類された。またインフレ率が安定的に推移(0.23%)した。

(6)対ドル為替レートは大統領再選法に関する憲法裁判所の判決が変動を抑制する形となりペソ高傾向に安定的に推移した(月初2,288.22ペソ、月末2,287.51ペソ、月間最高値2,284.05ペソ(25日)、月間最安値2,303.01ペソ(7日))。

 

2.主な動き

<対外関係>

(1)対米FTA交渉関連

(イ)17日~21日(於:ワシントン)、センシティブな分野に関する分野別交渉(農業及び知的財産権等)が行われたが、芳しい成果は挙げられなかった。繊維分野の「コ」案はエクアドル及びペルーによって支持されるも、米国は拒否した。他方、米国は植物検疫問題に関し、1114日からワシントンに於いて行われる最終交渉の前に、新たに提案する旨約束した。同分野については、111日及び2日に個別交渉が行われる。また、知的財産権分野に関しては、118日から著作権、医薬品特許、証拠データ及び生物多様性のテーマが交渉される。なお、本交渉の前後、アンデス3カ国内では先住民や労働組合による対米FTA反対デモやストライキが起きた。

(ロ)ボテロ商工観光相は、政府の目標は11月末までの交渉妥結であるが、農業分野が満足の行くものとならない場合、米国との署名はありえないと強調した。全国工業協会(ANDI)や民間セクターの代表は同相の右発言を擁護した。

(ハ)23日、「コ」及びエクアドル両大統領は、対米FTA交渉は平等的であるべきであり、また、右交渉を11月末までに合意に至らせるとしつつ、そのためにペルーと共に、農業及び知的財産権分野のようなセンシティブ分野における解決策を模索すると発言した。

(ニ)全体交渉をあと1回のみ残した現時点までの交渉状況に関し、ゴメス「コ」交渉代表は全24分野中8分野は交渉が終結し、他の12分野は終了間際となっているが、農業分野では大きな前進が見られず、「コ」の農業セクターに大きな不安を引き起こしているとした。

(ホ)モンテネグロ国家企画庁(DNP)長官は、対米FTAに向けた「国内行動計画」(AGENDA INTERNA)2006年の上半期には完成し、新たな政権の開発計画の一部となると述べた。

(2)EUのバナナ関税率引き上げ問題

2WTO仲裁調停は、EUによる2006年以降のバナナ関税率引き上げに関する新たな提案(1トン当たり187ユーロ)について、再度ラ米のバナナ生産諸国側に正当性があると認めた。右により、EUの提案は、ラ米諸国産バナナのEU市場への真のアクセスを維持しないものと判断されたことになる。今後は、更なる調停開催は不可能と考えらえれており、双方協議による解決が期待される。

(3)「コ」・ベネズエラ間ガス・パイプライン建設計画

ピーノ(PINO)ベネズエラ石油公社(PDVSA)総裁は、「コ」石油公団(ECOPETROL)との二国間ガス・パイプライン建設計画の契約のための幾つかの重要な合意に到ったと述べた。同計画の総投資額は32千万ドル、総距離は当初の177kmから300kmに変更になり、「べ」のパラグアジャ(PARAGUAYA)から「コ」グヒラ県バジェナス(BALLENAS)までのパイプラインとなる。また、PDVSAガス部門は、同計画は技術的調査の段階にあり、2006年末からパイプ敷設工事に入ると公表した。

 

<国内情勢>

(1)2005年経済見通し他

(イ)IMF理事会は、「コ」とのスタンド・バイ・クレジット合意(18ヶ月)に関する最初のレビューを終了し、財政赤字目標の2.5%から1.6%への縮減を承認、国家予算構造改革法に代わる新たな代替策を政府に要請した他、本年の経済成長率目標4%の達成、失業率低下の継続及びインフレ率の低水準維持を期待した。

(ロ)ボテロ商工観光相は世銀主催のフォーラムにおいて、「コ」は政治的及び経済的にも安定しつつあるが、未だ国際競争力の水準を高めるまでに到っていないと述べた。同相の見解では、インフラの未整備及び治安問題、(改善してはいるが)高い公共サービス料金、法的不安定性及び技術進歩の遅延の5つが「コ」の競争力に影響を及ぼしている。

(ハ)19日、憲法裁判所による大統領再選法の承認は、経済にポジティブな影響を及ぼすとされる。ウリベ大統領の再選は「コ」の信用力を強固にし、右が株価の高騰及びTES国債の需要増加等の有価証券への資本増加を招くと予測される。他方、ドルに対する為替レートは高いペソ高傾向を示し、中銀による迅速且つ大幅なドル買い介入による統制が継続するとされている。

(ニ)スタンダード・プアーズ社は、「コ」の格付け「BB」を維持する旨公表した。同社は、治安改善と右に伴う信用の回復及び「コ」での高い商機を認めつつも、格付けの改善には今後約2年間において、対外債務及び年金債務等の財政問題に対する政府の取り組みが求められるとした。

(2)2006年度国家予算案承認

19日、当国国会両院は、総額105.4兆ペソ(対前年比13.1%増)の2006年度予算案を承認した。予算歳出の特徴としては、地方交付金、年金支払及び公的債務支払の3つが最も大きな歳出となっており、政府の裁量の幅が極めて限られてた状況であるため、予算の硬直化が指摘されている。他方、カラスキージャ蔵相は、今回の予算は当国のマクロ経済の安定化継続に合致するものであり、財政赤字、経済成長及び債務削減等にネガティブな影響を与えないと述べた。更に同相は、治安対策(Seguridad Democratica)に対する十分な予算割当及び厳格な予算調整の下で、要請度の高い社会問題(国内避難民問題及びインフラ整備事業等)への十分な予算配分を行ったと強調した。

(3)財政状況

(イ)税関国税庁(DIAN)は、本年9月までの税収を対前年同期比14.5%増の33.7兆ペソと公表した。右は目標値よりも1.42兆ペソ多い。

(ロ)IMFは、「コ」の経済政策への支持を表明し、対外債務削減、金利操作、インフレコントロール、金融機関の競争の促進及び財政赤字削減等を評価した。他方、次期大統領が誰になるかに拘わらず、国家予算構造改革及び年金改革等の公的財政調整を継続すべきともした。

(4)構造的税制改革法案

(イ)ハビエル・アビラDIAN経済研究所長は、政府が検討している構造的税制改革の方向性を次の通り示した。(a)法人所得税5%減税(35%30%)(b)収益からの再投資部分(30%)に対する非課税措置の廃止、(c)IVA改革及び(d)金融取引税の廃止若しくは減税。他方、右改革法案の国会提出時期は明らかにされない。

(ロ)政府は、国家企画庁(DNP)の報告を通じ、経済の持続的成長を保証するために今後数年間における構造的税制改革の対象を次のように示した。(a)国税、(b)地方税、(c)地方交付税及び(d)税外収入、更に年金・公共サービス・家賃等に対する課税措置。また同報告では、最も懸念される事項として年金債務を挙げた。

(ハ)フランコDIAN長官は、未だ構造的税制改革法案の内容は詰まっていないが、右法案は税制度の簡素化、投資誘致及び税収の持続性保証を目指すものであると述べた。

(5)企業動向

(イ)第3四半期末の主要企業の収支は、ペソ高及び国際的な競争激化にも拘わらず、純利益及び売上共に高成長を示した。右企業中最も好業績であったのは、発電公社(ISA)、ポストボン(飲料メーカー)、ボゴタ通信公社(ETB)及びパス・デル・リオ(製鉄業)等であった。

(ロ)31日、BBVA銀行(西)は、グラナオラール銀行を政府が提示した最低額の約2倍にあたる9,970億ペソで買収した。右により、BBVAは当国最大の住宅資金貸付機関となった。グラナオラール銀行の売却はIMFとの合意事項の一つであった。

(ハ)ピント通信相は、テレコムの戦略的パートナー問題に関し、右手続きを先延ばしすると表明した。右期間については明らかにされていないが、2006年初めには交渉が具体化すると考えられている。他方、蔵相は今後6ヶ月間においてテレコムのパートナーが見つからなければ、国家の財政的問題となり得、本問題のために税制を変更する必要性が生じると述べた。また、ウリベ大統領は、政府はテレコムの存続を保証する戦略的パートナー探しのプロセスを重視する旨述べた。

(ニ)メデジン市議会は、メデジン公社(EPM)のボゴタ通信公社(ETB)との通信部門連携強化のためにEPMの通信部門切り離しを承認した。

(ホ)航空会社アビアンカを買収した伯シネルジー・グループは、「コ」の炭化水素分野への参入拡大を表明した。具体的には、同グループ傘下のキファ(Quifa)石油会社がメタ県における石油開発コンセッション事業を実施することになる。

(6)ガソリン価格及び電力需要

(イ)鉱山エネルギー省は、111日以降、ガソリン1ガロン当たり100.58ペソの値上げを承認した。右により本年以降で476ペソの値上がり、1ガロン5,617.32ペソとなる。

(ロ)本年9月期の電力需要は対前年同月比5.69%増となり本年中で最も伸びた。特に製造業部門で10.98%増、住宅部門で3.54%増であった。右数値は経済全体(特に製造業)の好調さを示している。

(7)自動車販売台数等

(イ)本年9月期までの自動車販売台数は、対前年同期比27.9%増の103,680台となった。国内組立車は19.7%増、また、輸入車が46.8%増であった。他方、ヒュンダイ系列の販売会社Cinascar社は、今月末より中国車SaicWuling及びBYDの販売を開始する。また、中国車CherryChana及びHafeiを販売する中国オートモーターは、新たなモデルを輸入する旨公表した。

(ロ)CCA社(マツダ)は、対ベネズエラ及びエクアドル輸出強化のために3百万ドルから5百万ドルの増資を検討している旨公表した。他方、「コ」の15都市で42年間営業している日産自動車販売会社は、新たな販売拠点拡大を決定した。右決定は「コ」自動車セクターの好調さに便乗するものであり、日産の本年以降の売上は昨年比60%増となっている。

(8)その他

(イ)税関国税庁(DIAN)は、「コ」に流入する中国製及びパナマ製輸入電化製品(テレビ、冷蔵庫、電子レンジ及びガスレンジ等)の最低価格を設定した。同様の措置が以前に同輸入繊維及び履物製品に対してもとられている。

(ロ)ボゴタ商工会議所及び韓国GYOGGI地区中小企業組合は、韓国から「コ」への技術移転及び特定プロジェクトに対する両企業の投資等の両者連携強化を目的とした覚書を署名した。また、右と同時に、韓国から電機機械関連企業14社が「コ」を訪問した。

(ハ)銀行監督庁は、本年9月期までの金融セクターの収益が対前年同期比31.3%増の2.73兆ペソになったと公表した。

(ニ)ウリベ中央銀行総裁は、議会において、本年上半期の外国からの直接投資は対前年同期比56%増の226千万ドルになったと述べた。最も投資の伸びた分野は石油及び石炭であった。なお、今年の直接投資の目標値は50億ドルとなっている。

(ホ)6日、環境相及び鉱山エネルギー相は、米国環境保護庁及び「コ」オクシデンタル社と共に、「コ」におけるメタンガス排出の計測、削減技術及び排出権売買の機会等につき協議するための第1回セミナーを開催した。本セミナーには、CDM事業に関心を有する石油及びガス関連の多くの多国籍企業が参加した。

(ヘ)カラスキージャ蔵相は、アコスタ元ボゴタ証券取引所総裁を銀行企業監督庁の初代長官に任命する旨公表した。右の他、オルテガ金融投資銀行(FOGAFIN)総裁は米州開発銀行に異動し、その後任に同行保証基金部長のロペス氏の任命が発表された。

 

3.主要経済指標

(1)経済成長率

(イ)中央銀行は、好調であった第2四半期成長率5.3%及び直接投資の大幅な増加等に鑑み、本年全体の経済成長率予測を4.2%から4.7%に上方修正し、また、2006年も4%以上の成長を維持するという楽観的な観測を示した。

(ロ)ウリベ中銀総裁は、海外在住の「コ」人による国内への送金は「コ」の経済成長に最も影響を与えている要因の一つである、少なくとも送金全体の10%は教育費に充当されている、本年上半期の送金額は対GDP比2.7%155,100万ドルに達したと述べた。

(2)製造業

国家統計庁(DANE)は、本年8月までの製造業の生産・売上・雇用の対前年比伸び率を各2.83%2.83%及び0.42%と公表した。32生産部門中最も伸び率の高かった部門は、自動車、鉱物製品及び石油製品であった。他方、全国工業協会(ANDI)による企業アンケートによれば、同期間における生産及び売上は、同比7.1%及び6.8%であった。エルネスト・ロハスDANE長官は、2006年以降の同業の統計方法を改革する旨公表した。

(3)石油

(イ)石油公団(ECOPETROL)によれば、本年9月の石油生産は、先月及び昨年全体の平均を上回る日産35,833バレルとなった。また、本年8月までの同輸出額は対前年同期比28.7%増の178,400万ドルであった。

(ロ)IDB及びCAFの調査結果によれば、もしこのまま「コ」の石油埋蔵量が低下し続ければ、2010年には石油生産及び輸出は停止する可能性があり、他方、今後4年間で大きな発掘があれば右状況は一変する可能性もある。また、「コ」石油エンジニア協会は、本年全体の石油埋蔵量は低下の速度を強めて147,300万バレルになると公表した。他方、小規模な油田が発見されており、その埋蔵量の合計は6,800万バレル程度とされている。また、本年の石油開発契約数は増加しているが、比較的小規模なものであり投資額も少なく、大規模な油田発掘の可能性は低いとされる。

(ハ)炭化水素庁(ANH)は、9月期において新たに9契約が署名されたと公表した(ジャノ西部地域及びカタトゥンボにおける探査、投資総額約20百万ドル)。右により、本年全体の目標契約数40(探査・生産・技術評価)を達成した。

(ニ)ペトロブラス(伯)、ルコイル(露)、バーリントン・リソーシズ(米)及びヴィンテージ(米)の4社は、ノルテ・サンタンデール県チブ(Tibu)の大規模プロジェクトに着手するための事前評価を行った。本プロジェクトでは少なくとも2億バレルの埋蔵が期待されている。今後同4社は、20063月までに石油公団に対して経済的プロポーザルを提出することになる。

(4)金利

銀行監督庁は、11月の新規貸出金利最高限度額を先月より0.18%引き下げて26.72%に決定した。

(5)貿易

(イ)DANEによれば、本年当初8ヶ月の輸出額(FOB)は、対前年同期比30.9%増の1372,300万ドルであった。右の内、伝統産品は41.8%増(特に石油)、非伝統産品は21.9%増(特に自動車及び部品)、また、国別輸出先では米国が28.1%増となった。他方、同期の輸入額(CIF)は同比28.7%増の1362百万ドルとなった。右の結果、同期の貿易収支は102,900万ドルの黒字であった。

(ロ)ベネズエラ、パナマ、ペルー及びボリビアは、「コ」トリマ県フレスコ市において鳥インフルエンザが発生した虞があるとして、「コ」産の鶏肉及び関連製品の輸入停止を決定した。右に対して「コ」衛生当局は、同病は人体に影響はなく、また、国産関連製品及び近隣諸国にも影響はない旨説明した。

(6)失業率

(イ)DANEによれば、本年9月末の全国平均失業率は11.2%(前年同月12.5%)となった。右により最近12ヶ月において約208千人の失業者が減少し、約631千人の労働者が職に就いた。他方で、右の新たな就業者数のうち約346千人が不完全就業者に分類されている。ウリベ大統領は、本年末までに同率が約10%の水準になることを目標にしていると述べた。

(ロ)また、主要13都市平均失業率は13.5%(前年同月14.9%)であった。右により最近12ヶ月において約97千人の失業者が減少し、約338千人の労働者が職に就いた。他方で、右の新たな就業者数のうち約167千人が不完全就業者に分類されている。

(ハ)国際労働機関(ILO)の調査は、「コ」における就業者全体の約60%が不完全就業者であり、南米において「コ」を、エクアドル、パラグアイ及びペルーと共に、不完全就業者数の多い国の一つに分類した。

(7)為替

(イ)10月の対ドル為替レートは、大統領再選法に関する憲法裁判所の判決動向により不安定になると予想さていたにも拘わらず、月初2,288.22ペソ、月末2,287.51ペソ、月間最高値2,284.05ペソ(25日)、月間最安値2,303.01ペソ(7日)と安定的に推移した。また、結果的に19日の同判決は為替の変動を抑えるものとなった。

(ロ)一部アナリストは、今後の為替に対する不確定要素として、選挙保障法に関する憲法裁判所の判決動向及びハリケーン・ウィルマに因る米国経済への影響を挙げ、本年末を最大1ドル2,316ペソと予測している。また、最近の中銀によるドル買い市場介入は、1ドル2,280ペソを目安にしていると考えられている。

(ハ)中銀は、ペソ高傾向の一因としてきた海外からの送金が減少していると公表した。本年上半期は155,000万ドルであったが、本年全体では317,000万ドルと予測され、結果としてほぼ昨年と同様の総額となる。減少の要因は、「コ」海外移民の流れが一段落した、また、送金先であった「コ」在住家族が移民先に移ったためとされる。他方、中銀は、市場へのドルの大量流入の他の要因として、最近貿易量が増加しているエクアドルのドル経済及びベネズエラの外貨規制を挙げ、麻薬マネーの増加を否定した。更に中銀は、インフレを目標値内でコントロールしつつ、市場介入を継続する旨公表した。

(ニ)FEDESSARROLLO及び「コ」証券取引所により実施されたアンケートによれば、ペソ安傾向が進行するという本年当初の見通しとは逆に、市場関係者の52%は「今後6ヶ月間はペソ高傾向が継続する」と回答した。

(8)消費者物価上昇率

DANEは、10月の消費者物価上昇率は0.23%(前年同月0.24%)、当初10ヶ月では4.66%、及び過去12ヶ月では5.27%(前年同期5.90%)と公表した。分野別では食料品(0.49%)及び運輸(0.31%)が高い数値を示した。

(9)債務状況

(イ)中央銀行は、7月末における対外債務残高が対GDP31.4%3768,500万ドルと公表した(前月末30.8%370800万ドル)(公的債務:2392,100万ドル、民間債務:1376,400万ドル)。

(ロ)中央銀行の発表によれば、7日時点のTES内国債の発行残高は75.3兆ペソとなり、増加傾向を続けている。右傾向は、外国債を事前償還及び減少させて内国債の比率を高めるという政府の方針に一致する。

(ハ)世銀は「コ」政府の投資促進及び生産性向上促進プログラム他1件につき25,700万ドルの融資を承認した。また、CAFは「コ」大蔵省が実施する年金改革強化プログラムに対して3億ドルの融資を承認した。

(ニ)IDBは、メデジン公社(EPM)の水力発電ポルセⅢ建設計画に対する2億ドルの融資を承認した。本プラントは660メガバイトの発電力を持ち、当国の増加傾向にある発電需要に貢献することになる。