コロンビア月例報告(9月分)

 

内政・外交状況

 

2009年10月27日

在コロンビア日本大使館

 

Ⅰ.概要

〈内政〉

●ウリベ大統領の連続三選を可能にする憲法改正国民投票法案が下院本会議において、賛成多数で可決された(1日)。

●ギャロップ社が行った世論調査結果によれば、ウリベ大統領の業績に対する評価及び好感度は、74%が「評価する」及び70%が「好感がある」と回答し、再度支持率を回復した(9日)。

2010年大統領選挙に向け、自由党ラファエル・パルド元国防相、PDA党グスターボ・ペトロ上院議員がそれぞれ来年の両党の大統領選候補として選出された(27日)。

 

〈外交〉

●ウリベ大統領はベルムデス外相他とニューヨークを訪問し、第64回国連総会において一般討論演説を行った(23日)。

●ベルムデス「コ」外相及びファルコニー・エクアドル外相は、両国の外交関係正常化に向け、直接対話のプロセスを開始した旨発表した(24日)。

●ベルムデス外相は中国を訪問し、習近平国家副主席等と会談した。両者は、二国間協力を強化する重要性について再確認した(8311日及び4日)。また、韓国も訪問し、李明博大統領等と会談を行い、二国間経済関係等について協議を行った(23日)。

●ベルムデス外相及びシルバ国防相は、エクアドルで開催されたUNASUR外相・国防相会合に出席した。同会合では「コ」・米国軍事協力協定に議論が集中したため、「コ」政府は幅広い協議をすべきとして、議論が割れた(15日)。

 

Ⅱ.内政

1.内政一般

(1)ウリベ大統領の連続三選を可能にする憲法改正国民投票法案可決(1日)

 ウリベ大統領の連続三選を可能にする憲法改正国民投票法案が下院本会議において、賛成多数(賛成85票、反対5票)で可決された。同法は、憲法裁判所による合憲性の判断を仰ぐための手続きに付された(9日)。

(2)世論調査結果の報道(9日)

(イ)4日~8日にギャロップ社が行った世論調査結果によれば、ウリベ大統領の業績に対する評価及び好感度は、74%が「評価する」及び70%が「好感がある」と回答し、再度支持率を回復した。ウリベ大統領の連続三選を可能とするための憲法改正の是非を問う国民投票に関しては、86%が投票に行き、ウリベ大統領連続三選を支持する意向を示している。

(ロ)米・「コ」軍事協力協定については、69%が賛成する意思を示しており、また保健・教育サービスの質及びカバー率についても多数が満足している結果が明らかになったが、その一方で、57%が経済が悪化していると考えており、76%が雇用政策が不十分、66%が生活コスト削減のための政策が不足、56%が外交問題が悪化していると考えていることが分かった。

(3)大統領府安全保障庁(DAS)の組織再編(18日)

 ムニョスDAS長官は、DASによる違法盗聴問題に対する批判等を踏まえ、DASを新たなインテリジェンス機関として再編する旨発表した。

(4)自由党及びPDA2010年大統領選両党候補者の決定(27日)

 自由党及びPDA党の党内選挙が行われ、自由党ラファエル・パルド元国防相及びPDA党グスターボ・ペトロ上院議員が、それぞれ来年5月に行われる大統領選の候補者として選出された。

 

2.新型インフルエンザ

 社会保障省の発表によれば、29日までに当国における新型インフルエンザによる死亡者数は91名となり、1799名に感染が確認された。

 

Ⅲ.外交

1.「コ」・エクアドル外交関係正常化に向けた対話(24日)

 ベルムデス「コ」外相及びファルコニー・エクアドル外相は、訪問中のニューヨークにおいて、共同コミュニケを通じて、両国の外交関係正常化に向け、直接対話のプロセスを開始した旨発表した。プロセスには、臨時代理大使の任命、二国間国境委員会の再活性化等が含まれている。

 

2.要人の往来

(1)ウリベ大統領(2125日)及びベルムデス外相(2224日)の第64回国連総会出席

 ウリベ大統領は、ベルムデス外相他とニューヨークを訪問し、第64回国連総会において、一般討論演説を行った。同演説の中で、民主的治安政策、社会的責任を伴った投資と新規事業推進及び自由を伴った社会的共助(福祉政策)からなる3本の政策や治安改善や麻薬取引取締に向けた取組を述べた(23日)。また、ウリベ大統領は、潘基文国連事務総長や企業関係者等と会談を行った。

(2)ベルムデス外相の中国訪問(8311日及び4日)

 ベルムデス外相は中国を訪問し、習近平国家副主席等と会談した。両者は、両国国民が裨益する分野における協力を強化する重要性について再確認した。ベルムデス外相は、コロンビアにおける中国企業の投資及びコロンビアを訪れる(中国人)観光客の増加を歓迎する旨述べた。なお、新型インフルエンザへの感染の有無について検査するために、当初の予定を変更し、韓国訪問後、再度中国を訪問することになった。

(3)ベルムデス外相の韓国訪問(23日)

 ベルムデス外相は韓国を訪問し、李明博大統領等と会談を行った。会談では、「コ」・韓国自由貿易協定交渉のためのフィージビリティー調査の進捗状況について意見交換を行った他、現在交渉中の「コ」・韓投資協定(BIT)及び二重課税防止条約(DTA)等についても話し合った。

(4)ベルムデス外相のブラジル訪問(9日)

 ベルムデス外相はブラジルを訪問し、アモリン伯外相及びジョビム伯国防相と二国間関係に関する協議を行った。アモリン外相との会談に関し、ベルムデス外相は、二国間関係のあらゆるテーマについて協議し、ジョビム伯国防相との会談では、麻薬取引に対する「コ」とブラジルの協力協定及び今後の両国関係推進の継続について協議をしたと述べた。

(5)ベルムデス外相及びシルバ国防相のUNASUR外相・国防相会合出席(15日)

 ベルムデス外相及びシルバ国防相は、エクアドルで開催された南米諸国連合外相・国防相会合に出席した。同会合では「コ」・米国軍事協力協定に議論が集中し、「コ」政府の代表は、地域の安全保障に関するあらゆるテーマについて議論が行われるべきである旨主張し、バランスの取れた議論が行われる十分な保障がないのであれば、南米諸国連合から脱退する可能性について提起した。

 

3.チャベス・ベネズエラ大統領の政策反対デモ(4日)

 当国各地でチャベス・ベネズエラ大統領の「コ」の国内問題への介入政策に反対するデモ行進が行われた。インターネットのソーシャル・ネットワークを通じた今回のデモは、ラテンアメリカの大統領に抗議するものとしては、はじめての全世界的な運動となった。