
駐コロンビア日本国特命全権大使の森下敬一郎(もりした けいいちろう)と申します。コロンビアは初めての勤務地になりますが、 これまでにスペイン、メキシコなどのスペイン語圏で勤務してまいりました。
皆様もご存じのとおり、コロンビアでは2016年11月に政府と左翼ゲリラFARCとの間の内戦が半世紀ぶりに終結し、和平合意の履行が進められています。より持続的な平和構築の道のりが不可逆的なものになるよう、友好国の日本としても様々な協力を行っていきたいと思っています。。
治安の更なる安定化により、ビジネスはもとより、文化、学術といった幅広い分野で二国間関係を強化していきたいと思っています。
このような中、2018年は、日本とコロンビアの外交関係樹立110周年の佳節を迎えます。ちょうど110年を迎える明年5月から向こう1年間に亘って、周年事業を行っていきたいと思っておりますので、皆様のご支援を頂ければ幸いです。
日本とコロンビアの関係において、日系人社会の存在は特別な意味を持っております。コロンビアに在住する日系人は約2千人おられますが、特に、多くの日系人が入植し且つ在住しているバジェ・デ・カウカ県においては、同県の農業の機械化を進めた功績が高く評価されています。また、友好の架け橋として様々な分野の第一線で活躍され、コロンビアにおける親日感情の基礎を築いてこられました。コロンビア初の日本語教育機関であるカリ日系人協会日本語学校の『光園』も、2018年には創立50周年の佳節を迎えますので、日系人の方々のこれまでの努力に敬意を払いつつ盛大に祝福したいと考えています。
また、日本企業の活動支援にも積極的に取り組んでまいります。2015年9月に二国間の投資協定が発効し、投資環境の法的安定性が高まりました。さらに両国は、現在EPA(経済連携協定)の交渉を行っています。日・コロンビアEPAは両国経済関係強化の鍵であり、早期締結に向けて尽力し、両国の経済関係の一層の発展に努めてまいります。
経済関係の一層の発展に伴い、在留邦人はもとより邦人の渡航者に対する治安・安全情報の提供が重要になってきます。これまで以上に、在留邦人、邦人渡航者及び日系人の皆様の安全確保に寄与すると共に、邦人保護には、特に力を入れてまいります。
加えて、コロンビアの経済社会開発やインフラ整備の分野でも、引き続き,円借款、技術協力や草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて、コロンビアがより均衡の取れた持続的社会経済発展を実現できるよう支援を進めていきたいと思っております。
明年の周年事業のハイライトとして、当地ロスアンデス大学に日本の様々な情報の発信拠点となる「日本文化・経済・学術センター(通称:日本センター)」が完成します。日本センターは、日本とコロンビア両国の産・官・学の協働により、日本の発信拠点として、コロンビア国内における日本のプレゼンスを更に高めていく目的から設置されるものです。日本センターの完成を皆様方と一緒にお祝いすると共に、今後のセンターの活動に対して温かいご支援を賜れれば幸いです。
今後も、在留邦人、日系企業、日系人社会の皆様方のご協力を頂きながら、日本とコロンビアとの友好関係の発展のために尽力してまいりますので、引き続き、皆様方のご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
平成29年11月
特命全権大使 森下敬一郎 |