日本・コロンビア修好110周年記念式典大使挨拶
平成30年4月9日
（冒頭の呼びかけ省略）
まず始めに，日本・コロンビア修好110周年記念式典に御参列頂きまして感謝申し上げます。この荘厳なコロン劇場にて皆様と時間を共有できることを大変喜ばしく思います。
両国の歴史は，ラファエル・レジェス政権期以来の長いもので，両国政府は1908年5月25日に友好・通商・航海条約を結びました。日本はコロンビアにとって，アジア太平洋における最初のパートナーであり，同条約によって二国間関係が開始されました。
その後，1915年までに最初の日本人移民15人がバランキージャ市に到着しました。また，20歳前後の日本人の若者4人がホルヘ・イサックの小説「マリア」に感銘し，楽園を求め，祖国を発ち，1923年にコロンビアに到着しました。また，1929年には5つの日本人家族がブエナベントゥーラに到着しました。これらは，日本人によるコロンビアへの集団移民の嚆矢となりました。彼らがコロンビアから受けた歓待は，日本国民にとって決して忘れてはいけない事です。
その後，日本は第二次世界大戦の敗戦を経験しましたが，平和な社会の構築は，日本の未来を築く上で不可欠でありました。これにより，
日本は世界で最も近代的で，格差が少なく，テクノロジー分野を牽引する国の一つとなりました。
戦後の日本の復興は，人的資本への投資及び社会の明確な軸として確立された教育プロセスに負うところが大きいと考えます。この哲学は，コロンビアにおける日本の協力にも反映されています。
1976年に両国政府が技術協力協定を締結して以来，日本は様々な分野で協力プロジェクトを実施してきました。その中で専門家及びボランティアの派遣を通じたJICAの貢献は特筆すべき事項でございます。
さらに，サントス大統領の8年に亘る政権期間にて実施された幼児教育施設，図書館及び地雷除去活動に係る支援も強調すべき事柄です。
サントス大統領夫人のリーダーシップの下，31の幼児教育施設に資金援助を実施し，1500人の幼児の教育環境の整備が実現しました。
また，日本は2003年から図書館の建設に係る協力に注力してきました。ガルセス文化大臣は，コロンビアの23県の図書館建設プロジェクトに精力的に協力していただいております。本年には大使館が支援する図書館の数は150に達します。日本の協力を通して，200万人以上のコロンビア国民に裨益していることをとても光栄に思います。とりわけ，初めて供与を行ったカウカ県インサ市の図書館が2017年全国最優秀公立図書館賞を受賞したことを大変誇りに思っています。
2017年6月，両国政府は，日本製地雷除去機材供与に関する無償資金協力の交換公文に署名しました。コロンビアが目標に掲げている2021年までの地雷廃絶に貢献できるものと期待しております。
協力の枠組みにおいて，毎年実施される取組をより効果的とする意味からも，これらのプロジェクトの達成は私たちにとって大変意義のあるものです。特に，FARCとの和平合意に署名し，紛争を平和的に解決する道を選択した今日のコロンビアの置かれた重要な局面を踏まえますと，これらのプロジェクトの実行は重要であると考えます。この文脈において，日本政府は，コロンビアの発展に寄与しうるプロジェクトやプログラムを更に実施していく用意があることを強調します。
また，本年，ロスアンデス大学の「日本文化・経済・学術センター」の開所が予定されています。本センターは，同大学の学生だけでなく，一般の方々にも様々なプログラムを提供します。
経済分野に関しては，コロンビアは日本にとってアジア太平洋地域の戦略的パートナーであります。両国の民間部門が貿易及び投資の拡大に期待を抱いていることを考慮しますと，日・コロンビアEPA交渉が早期に妥結することを期待しています。
コロンビアは日本の経済界の注目の的となっております。2017年12月には租税条約交渉が実質合意に至りました。同条約は，脱税及び租税回避防止のための規定が設けられており，二国間における投資拡大に寄与するものとなっています。
また，日本とコロンビアの結びつきはスポーツ分野にも拡がっています。両国のサッカー代表チームは2018年ロシアW杯で同グループとなり，再び顔を合わせます。両国の代表チームが対戦する予選グループ第一試合は6月19日に行われます。私はコロンビア代表チームのファンでもあります。両国の試合は世界中の観客を熱狂させてくれるものになると確信しております。
近年，両国関係はあらゆる面において強固なものになりました。両国の文化は異なりますが，協力及び友好といった共通の道を歩んでおります。
最後になりますが，今後の両国の更なる相互理解及び太平洋地域の最も信頼の置けるパートナーのひとつとなるため，日本国政府及び在コロンビア日本国大使館は，コロンビア国民と手を取り合い，協働し続けていくことを改めて表明致します。
ありがとうございました。
まず始めに，日本・コロンビア修好110周年記念式典に御参列頂きまして感謝申し上げます。この荘厳なコロン劇場にて皆様と時間を共有できることを大変喜ばしく思います。
両国の歴史は，ラファエル・レジェス政権期以来の長いもので，両国政府は1908年5月25日に友好・通商・航海条約を結びました。日本はコロンビアにとって，アジア太平洋における最初のパートナーであり，同条約によって二国間関係が開始されました。
その後，1915年までに最初の日本人移民15人がバランキージャ市に到着しました。また，20歳前後の日本人の若者4人がホルヘ・イサックの小説「マリア」に感銘し，楽園を求め，祖国を発ち，1923年にコロンビアに到着しました。また，1929年には5つの日本人家族がブエナベントゥーラに到着しました。これらは，日本人によるコロンビアへの集団移民の嚆矢となりました。彼らがコロンビアから受けた歓待は，日本国民にとって決して忘れてはいけない事です。
その後，日本は第二次世界大戦の敗戦を経験しましたが，平和な社会の構築は，日本の未来を築く上で不可欠でありました。これにより，
日本は世界で最も近代的で，格差が少なく，テクノロジー分野を牽引する国の一つとなりました。
戦後の日本の復興は，人的資本への投資及び社会の明確な軸として確立された教育プロセスに負うところが大きいと考えます。この哲学は，コロンビアにおける日本の協力にも反映されています。
1976年に両国政府が技術協力協定を締結して以来，日本は様々な分野で協力プロジェクトを実施してきました。その中で専門家及びボランティアの派遣を通じたJICAの貢献は特筆すべき事項でございます。
さらに，サントス大統領の8年に亘る政権期間にて実施された幼児教育施設，図書館及び地雷除去活動に係る支援も強調すべき事柄です。
サントス大統領夫人のリーダーシップの下，31の幼児教育施設に資金援助を実施し，1500人の幼児の教育環境の整備が実現しました。
また，日本は2003年から図書館の建設に係る協力に注力してきました。ガルセス文化大臣は，コロンビアの23県の図書館建設プロジェクトに精力的に協力していただいております。本年には大使館が支援する図書館の数は150に達します。日本の協力を通して，200万人以上のコロンビア国民に裨益していることをとても光栄に思います。とりわけ，初めて供与を行ったカウカ県インサ市の図書館が2017年全国最優秀公立図書館賞を受賞したことを大変誇りに思っています。
2017年6月，両国政府は，日本製地雷除去機材供与に関する無償資金協力の交換公文に署名しました。コロンビアが目標に掲げている2021年までの地雷廃絶に貢献できるものと期待しております。
協力の枠組みにおいて，毎年実施される取組をより効果的とする意味からも，これらのプロジェクトの達成は私たちにとって大変意義のあるものです。特に，FARCとの和平合意に署名し，紛争を平和的に解決する道を選択した今日のコロンビアの置かれた重要な局面を踏まえますと，これらのプロジェクトの実行は重要であると考えます。この文脈において，日本政府は，コロンビアの発展に寄与しうるプロジェクトやプログラムを更に実施していく用意があることを強調します。
また，本年，ロスアンデス大学の「日本文化・経済・学術センター」の開所が予定されています。本センターは，同大学の学生だけでなく，一般の方々にも様々なプログラムを提供します。
経済分野に関しては，コロンビアは日本にとってアジア太平洋地域の戦略的パートナーであります。両国の民間部門が貿易及び投資の拡大に期待を抱いていることを考慮しますと，日・コロンビアEPA交渉が早期に妥結することを期待しています。
コロンビアは日本の経済界の注目の的となっております。2017年12月には租税条約交渉が実質合意に至りました。同条約は，脱税及び租税回避防止のための規定が設けられており，二国間における投資拡大に寄与するものとなっています。
また，日本とコロンビアの結びつきはスポーツ分野にも拡がっています。両国のサッカー代表チームは2018年ロシアW杯で同グループとなり，再び顔を合わせます。両国の代表チームが対戦する予選グループ第一試合は6月19日に行われます。私はコロンビア代表チームのファンでもあります。両国の試合は世界中の観客を熱狂させてくれるものになると確信しております。
近年，両国関係はあらゆる面において強固なものになりました。両国の文化は異なりますが，協力及び友好といった共通の道を歩んでおります。
最後になりますが，今後の両国の更なる相互理解及び太平洋地域の最も信頼の置けるパートナーのひとつとなるため，日本国政府及び在コロンビア日本国大使館は，コロンビア国民と手を取り合い，協働し続けていくことを改めて表明致します。
ありがとうございました。
（2018年4月5日（木）、コロン劇場にて）